WebPっていったい何?そしてGoogleが買収した企業は要チェック
GoogleがWEBの高速化を目指して新しい画像フォーマット「WebP」の提案をしました。
詳細は以下の記事などをご覧下さい。
▼JPEGより約40%コンパクト:Google、Web高速化を目指し新画像フォーマット「WebP」を発表 - ITmedia News
「情報をいかに整理するか」という視点が基本であった、受動的な検索エンジンと異なり、自らの目的を達成するために境界線を引くことなく様々な技術を投入しているGoogleに、やはり他のサーチエンジンとは違う性格を感じます。
さて今回は、「WebPができるまでの流れ」についてと、「Googleが買収した企業をチェック!」ということについて簡単に書いていこうと思います。
WebPができるまで
WebPとは?
WebPというフォーマットですが、ITmediaの記事から引用しますと
WebPはJPEGと同様に、画質を犠牲にして圧縮率を上げる「lossy」なフォーマット。
Googleが2009年のOn2買収で獲得し、オープンソース化したビデオ圧縮技術VP8を流用している。
と、あります。
このOn2社が持っていたVP8、元々は動画をエンコードする際のフォーマットの一つで主にFlashVideoで使われています。
FlashPlayerに内蔵されていて、FlashPlayerさえ入っていればOn2 VP8でエンコードされたビデオを見ることができます。
もともとFlashVideo(FLV)は「Sorenson社」のSparkという形式がメインでしたが、圧縮と画質において優れているという判断で、FlashPlayerのバージョン8からOn2もサポートされ、YouTube掲載や他の動画サイトへの投稿用動画を作る際にはOn2でエンコードすることが一般的になりました。
また、AdobeのFlashビデオ作成ソフト「Adobe Media Encoder」でも、CS4からOn2でのエンコードが推奨方式としてサポートされました。CS3以前ではSorenson Sparkでエンコードされますので、On2を使いたい人は、私を含めて野良ツールを使っていました(私のツーリング旅動画配信サイト)。
※FlashVideoについて詳しく知りたい方は「Flash Video - Wikipedia」が便利です。
そうして徐々にOn2が認知されてきました。
なぜSorensonではなく、On2が選ばれたのか?
Adobeの技術者のブログによると、単純に多方面で優れていたからのようです。
▼kaourantin.net: The quest for a new video codec in Flash 8
項目の頭を引用しますと、
- 同じ画質でも容量が小さくできる。帯域を押さえたいというのがAdobeの最も重視している問題だった
- コードサイズが小さい
- Intelチップだけではなく、PowerPCやARMやMIPSなどたくさんのプラットフォームに対応できていた
- クラッシュもほとんど無く、安定していた
- MacG3やPentiumIIIの500Mhzでも動く
- ハードウェアアクセラレーションが期待できる
- ドロップフレームが少ない
- 大きな穴がない
- サポート体制が充実している
- 良いエンコードツールがある
などなど、その他にデメリットもありますが、総合的にみてデフォルトにすることにふさわしいということだったのだと思います。
そこでGoogleが買収
そこを、2010年2月に1億3300万ドルでGoogleが買収しました。そしてその3ヶ月後にWebMとしてオープンソース化。(プロジェクトサイトはこちら)
開発が続けられ、今WebMだけではなく、一つの形としてWebPという形で花開いたという流れです。
Googleの買収先は要チェック
GoogleはMSやYahooなどと比べてM&Aを行うことが非常に多いです。
Wikipediaの一覧をごらん下さい。現在82社がリストアップされています。 54番目がOn2社ですね。
▼List of acquisitions by Google - Wikipedia, the free encyclopedia
過去をさかのぼると
- [04/06/13] Picasa
- [04/10/27] Keyhole, Inc(Google Earthへ)
- [05/03/28] Urchin Software Corporation(Google Analyticsへ)
- [05/08/17] Android(Google携帯へ)
- [06/10/31] JotSpot(Google Sitesへ)
- [07/04/13] DoubleClick(Adsenseへ)
などなど、他にもたくさん気になるものがあります。
これを見ていると今後のGoogleの動きにとって買収がかなり重要だと言えるかと思います。
最近ですと、ソーシャル系サービス提供企業の買収やまた、7億ドルをかけた ITA Software の行く末が気になりますね。MITが開発したシステムで、複雑な航空券の検索や売買ができるシステムが目当てで、それによる比較サイトなどの立ち上げを予定していたはずですが、これのローンチも期待ですね。 しかし、中国のP2Pxunlei(迅雷)はどうするつもりだったのでしょう。出資していて訴訟も受けたから引き受けた形なのでしょうか。
何はともあれ、Googleは、取り込んだ技術を上手く自社サービスにビルトインできるところが、素直に凄いと感じます。