「Webアプリケーション」という言葉はChrome Web Storeによって死語になるかもしれない
ちょっとブログの趣旨からはずれた話題ですがご容赦ください。
Googleが「Chrome Web Store」の開発者向けプレビューを発表しました。
現地時間19時、日本だと20日の11時なのでさっきですね、
公式Choromiumブログでの発表はこちら
▼Chromium Blog: Get your apps ready for the Chrome Web Store !
基本的に開発者むけのプレビューで、実際にChromiumないしChromeでWEBアプリケーションをアップロードする際の流れや仕様などを確認できるようにするためのものです。
具体的には
- 登録までの流れはどういう風になっていくのか
- 実際にユーザはどういった形で登録を行うのか、UIはどういうものか
- アプリケーションの課金処理は、どうやって行うのか
- コピーガードやライセンス処理の辺りは、どういう仕様なのか
- 手数料や登録料、中抜きの額
などもろもろです。
こういったものを、Googleでも公式ヘルプとして一緒に公開しています。
このChromeWebStoreは、AppleのApp Storeや、GoogleのAndroidマーケットと同列に捉えられるかもしれませんが、根本的に違う点があります。
それは、App StoreやAndroidマーケットは、それぞれ
「iPhone/iPodTouch、iPadのアプリケーション、Android端末のアプリケーション」
を販売しているのに対し、今回のChrome Web Store は
「PC上のアプリケーション」
を販売するプラットフォームだと言うことです。
ただ、PC上といっても、ブラウザ「Chrome」上でのみの動作となります。
だからGoogleはChromeをわざわざ作ったのか、と深読みするような状態に陥っています(私が勝手に…)
実際どのような動きになるか
まだ、英語版ヘルプしかないので、適宜キャプチャを入れながらざっくりと。
アップロードする際の手続きは、ChromeのExtensionと基本的に同じです。下記から行います。 ヘルプによると、Extensionで登録する際と比較すると、metadataが少し余分に必要なようです。
ただ、今回はアプリケーションとして課金をすることができるようになりました。
課金処理
具体的には課金処理の方法としては3つ用意されています。アプリの価格は最低約2ドルから(1.99ドル、日本だとなんやかんやで200円からですかね)
- そもそも無料
- 「Chrome Web Store Payments」を利用する
- カスタム課金処理
カスタム課金処理の種類としては、ブログによると
- Chrome Web Store Paymentsでの、月額ないし年額の利用課金
- フリートライアル
- そのほかのカスタム処理(詳細不明)
が少なくとも用意されています。
課金プラットフォームとしては「Chrome Web Store Payments」1択ですが、AppStoreやAndroidマーケットと違って、無料体験期間や期間サブスクリプションも設定できます。(内部課金はアドオンという形で、AppStoreにもある)
画面としては下記のようなインターフェイスで選択できます。
課金をする際は「Google Checkout」への登録が必要です。
課金については、 売上げの5%と0.3ドルと、かなりお安くなっていますAndroidマーケットの30%に対し。PCとモバイルでは、消費者の価格に対する感情的障壁がかなり違うので、それを反映させた形なのかもしれません。すでにたくさんのフリーソフトという対抗馬もいますので。
カテゴリ登録
また、カテゴリを3つまで登録することができるようです。
現状選べるのは
- Communication
- Entertainment
- Kids
- News
- Utilities
- Education
- Games
- Prodcuctibity
です。以下のキャプチャのようになっています。
そのほかサイトへのリンクなど色々設定できるところはあります。細かい部分は公式の以下の動画をご覧ください。
また、課金処理などやその先のOAuth処理などの部分についての技術情報は、以下のページからたどるのがいいかと思います。
もはやWEBアプリケーションもアプリケーションも境目があいまい
この動画デモを見ていて思ったのは、「WEBアプリケーション」と「いわゆるアプリケーション」の境界がもはやなくなりつつあるな、ということです。
Chrome Web Storeでも、WEBアプリケーションを「hosted apps」、ローカルにデータを持ってくる「packaged apps」と分けてはいますが、実質的にそれで扱いが変わるわけではありません(微妙に課金処理などで違いはあるみたいですが)
Chromeというブラウザ上では、特にデータがどこにあるかということを意識せずに、WEBアプリケーションもローカルアプリケーションも使うことができるようになります。
シンクライアントの復活かもしれません。
Microsoftが「ASP.NET MVC」や「ASP.NET Ajax Library」などの開発を進めているのは、その流れなのかなとも思います(Win系の開発に疎いので憶測です)
とはいえ、特にhosted appsは、単純にChromeに登録するだけではただのブックマーク・OPERAのスピードダイヤルに過ぎないので、課金処理ができるというところを踏まえて、新たなデペロッパーの参入と新サービスのローンチに期待です。
便利ならお金を払うことは、AppStoreやAndroidマーケット、そして日本の携帯サイトの盛況ぶりで証明されています。媒体含めた見せ方次第で、お金は払ってもらえると可能性があるわけです。
草の根開発者がたくさんいる社会の方が、私は楽しいんじゃないかと思います。
Chrome OS搭載のタブレット型コンピュータが、11月末に登場なので、それも楽しみではありますが、むしろPCできちんと課金できる文化ができることを期待しています。
追記
ただ、日本人はコレクション趣味が強い傾向にあるので、HDに溜めておきたい人も少なくないかと思います。なので大容量記録媒体がなくなるとは思いません。
ですが、自宅にメディアストレージ系のPC一台と、後は軽量でCPU+SSDの軽いPCがいくつか、という構図になるのでは、と感じました。