制作サイドと利用サイトの用字用語のズレに気をつけて
IMJモバイルが行った、「モバイルショッピングサイトの「買い物かご」ページに関するユーザビリティ調査」というものがあります。
これは、どうしたら商品を購入しようとしたユーザをスムーズに決済まで持っていくか、ということを主眼とした調査です。
▼モバイルショッピングサイトの「買い物かご」ページに関する
ユーザビリティ調査
その内容はその内容として、とても興味深いのですが、この中で一つ膨らませたい話があります。
ショッピングに関して、制作者側と利用者側で用語のズレがある、ということです。
そしてここを改善することが改善策として効果的ではないかということです。
制作側と利用者側の用語のズレ
膨らませたい話、それが
「最も浸透している名称は「買い物かご」「ショッピングカート」」
という調査結果です。
これについて、さらに詳しく比率を見ると
- 買い物かご : 61.5%
- ショッピングカート : 26.2%
ということで、実は「買い物かご」が圧倒的だと分かります。
しかし、これに関してGoogleのキーワードツールで調べると、違った結果になります。
- ショッピングカート : 74000件/月
- 買い物かご : 6600件/月
- 買い物カゴ : 2900件/月
キーワードツールというのは、Googleが提供しているツールで、どのキーワードが一ヶ月に何回くらい検索されたか、を調べることができます。
ですので、この結果を見ると、「ショッピングカート」が圧倒的に多いことになります。「買い物かご」の10倍はあります。
で、じゃあIMJの調査は何かサンプリングなどで偏りがあったんじゃないかというのは、違うと思います。
なぜなら、一般のお客さんが検索エンジンに「ショッピングカート」とはいれないspan>はずだからです。
もし何かをあなたが買おうと思った際に「漫画 ショッピングカート」「洋画DVD 買い物かご」と検索するでしょうか。
きっと、しないかと思います。
つまり、これは制作サイドが入れている言葉なんですね。
自社サイトであったり、どこかにショッピングカートを入れたいのでASPかプログラムか分かりませんが、検索しているのだと思います。
そこから考えられるのは
「売り手側(制作サイド)は、ショッピングカート、と呼ぶものだと思っている」
ということに対して
「買い手側(一般消費者)は、買い物かご、と呼ぶものだと思っている」
という言葉のズレがあるということです。
用語のズレは、即利用者のストレスにつながる
これは、実際にユーザテストを見ていても感じますが、ユーザビリティにかなり影響します。
例えば、
- いわゆるindex.htmlは「ホーム」なのか「トップ」なのか。
- 「トップに戻る」はこのページの一番上なのか、「トップページ」なのか
- 「お気に入り」なのか「ブックマーク」なのか
- メールマガジンを登録する再のSUBMITボタンは「送信」か「登録」か
- メタファーがなかったりする新しい機能であれば、どんなラベルをつければいいのか
などです。
制作側と利用側、売り手と買い手の認識相違が少なければ少ないほど、摩擦が少なければ少ないほど、こちらが意識しているようにユーザは動いてくれます(動機付けの部分は別問題として、あくまでインターフェイスとして)
「こういう風になると思ってボタンを押したら、ぜんぜんよく分からないことになった!」
これは最悪です。
オンラインサービス提供者は定期的にインターフェイスの無作為テストをおすすめします。
また、できるだけ言葉のゆれが出ないようなワーディングですとかインターフェイスにすることも大事ですね。
それだけで、ユーザの離脱率が変わってきますので、おすすめです。
また、メールなどの用字用語も一緒に統一するとなおよし!ですね(^-^
※画像はflickrから引用しています。