人間の成長と進化
日本経済新聞で連載されている王貞治さんの「私の履歴書」を楽しみに読んでいます。
とくに、亡くなった双子のお姉さんがいらしたことなど、王さんの子供頃の話は、初めて知ることばかりでした。
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水路をまたぐ直径1メートルほどの土管の上を走って渡る遊びはスリル満点。昔の大人はそれを見ても「どうせ下は水だし、落ちても死にゃしないよ」という顔をしていた。
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今でしたら、「危ないからやめなさい」と注意を受けるか、土管のある場所は立ち入り禁止になっているでしょう。
子供の頃からすでに野性的な勘が養われていたのではないかと思わされます。
そんなことを考えていましたところ、NHKスペシャル「ネクストワールド」第一回「未来予測」を見たことを思い出しました。
人工知能によって、未来が予測できるようになるのです。
人工知能の未来予測によって、危険が迫っていれば注意を促してもらえます。そのため、人々はより安全に生活することができるようになるのです。
これは素晴らしいことだと思いました。
受けなくとも良い不幸を避けることができるのですから。
子供の頃から24時間人工知能に見守られている人類は、親が見ていないところで危険にさらされる確率も減っていきます。
「未来が予測できない」という不安が薄まる一方、失敗から学ぶことが少なくなるのではないでしょうか。
今考えれば、私を成長させてくれたのは、失敗や敗北、挫折でした。
そして、そこから直観や感性、自分なりの未来を切り開く力を磨いていったような気がしています。
番組では最後に「未来予測はあくまで人間が幸せになるためのツールで、人間にしかできないことはその先にあり、人間の進化も求められている」というメッセージを投げかけていました。
人間しかできない成長と進化が求められる一方、人は何によって自らを進化させていけば良いのか。
その可能性を追求し続けなければならないと感じています。