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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

調整力と技術力で達成するシステム開発

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ソフトウェアやシステム開発プロジェクトを進めていく間に様々な調整が必要になる。小さなものだとメンバ同士の調整からはじまり、パートナ、顧客との間で相互にメリットを作りながらの調整が必要になる場合もある。また、全社であったり、グループ会社であったり、同業他社であったりとその範囲の裾野は広いだろう。これまで難しかったことを技術はもちろん(資本関係によらない)システムの提携、調整をもって成し遂げる。このエントリではその例を紹介する。

1つめは「業界初の企業間相互バックアップ 単独に比べ10分の1のコストに」という記事(日経ITpro)で紹介されているもの。記事によるとディザスタリカバリを目的として地理的に分散した2社のクレジットカード会社が相互バックアップのための仕組みとシステムを作ったそうだ。個別に構築すると100億は下らないシステムを11億で実現するそうだ。実現している技術的課題もかなり大きなものだと思われるが、技術以外にも大きな調整、連携が必要だったのではないだろうか。

2つめは「地銀 -- システム共同化の真実」のシリーズの中の1記事(日経ITpro)では、複数の地方銀行が共通基盤を使い、パッケージ仕様、共通仕様、個別仕様を決めていくための仕組みが紹介されている。個別仕様をなるべく減らすことにより、コスト低減につなげる。そこでも各地銀が「既存の業務を共通仕様に当てはめられるか~ヶ月で調整する」等の作業が担当しているそうだ。担当者の技術レベルが揃っていなければ、特定の銀行が他の銀行の足を引っ張ってしまう可能性が高いため、まずは技術面が課題となる。しかしながら、この連携には技術以外にも必要なものが多かったのではないだろうか。

調整、連携は今後、業務系システム開発には必要になるスキルの1つと考えており、私が担当している講義では、共同演習等を通じてこれらの初歩にあたる体験ができるよう計画している。

Comment(2)

コメント

先日は、遠路はるばるお疲れさまでした。

僕も、カード会社にいたことがあるので、興味深く読ませていただきました。

また色々教えてください。

コメントありがとうございます。返信遅くなってしまいました。

この話はカード会社出身の方からご覧になれば、そのすごさがよくわかるんではないかと思っております。

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