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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

ムーアの法則に近いペースで大規模化するソフトウェア

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本エントリのタイトルは東芝ソフトウェア技術センター江口所長の講演の前半部分で示されたものだ。ある製品シリーズのソフトウェアの統計。組込み機器に搭載されるソフトウェアの規模はムーアの法則(半導体チップに集積されるトランジスターの数は約 2 年ごとに倍増する。出典インテル)に追随している時期にあるそうだ。講演の後半では、それに対応するための東芝の取組みをご紹介いただいた。

講演タイトルは「組込みシステム開発の状況とソフトウェア開発管理」詳細はここにある。

講演を伺って、印象に残った内容は以下のとおり。

  • プロダクトライン化によるロジック流用率90%(プラットフォーム化、MVC(Model View Controller)アーキテクチャによる分担、流用しやすい構造化)
  • 3階層SEPG(コーポレート、カンパニー、プロジェクト)をとり、CMM, CMMIをはじめ開発プロセスを整備している。(3階層SEPGは国内でもいくつかの企業が採用している)
  • 大規模工場設備制御ソフトウェアなど完全冗長構成による高信頼性システムでは、障害時のテストが非常に難しいため、フォーマルメソッドを利用している。
  • 進行中プロジェクトの定量的管理として、ソースコードの規模遷移、工数管理、品質管理、スケジュール遵守度をモニタしている。(「奈良先端大では説明の必要はないかもしれないが」と江口所長にコメントいただきうれしかった。松村氏や私による検討がなされている)
  • 要求分析フェーズを5段階に細分化(要求獲得、要求仕様化、要求調整、要求確認、要求管理)し、各々のフェーズに複数の手法を用意していること。
  • ソースコード静的解析(コーディングルールの準拠はもちろん、データフロー解析やコールフロー解析も利用)

東芝ではソフトウェア開発のイノベーション戦略として、people innovation, platform innovation, production innovationがあるそうだ。people innovationとして海外を含めた研修制度、platform innovationとして上述のプロダクトライン設計、production innovationとして、上述のプロダクトライン設計以外の項目を紹介いただいた。

ここ(本ブログの過去エントリ)にも書いたが、奈良先端科学技術大学院大学のソフトウェア開発管理教育の一環として実施している。前回(本ブログの過去エントリ)はGoogle工藤氏による大規模開発への対応。今回は2回目になる。

ご講演いただいた江口和俊所長をはじめ、ご講演の段取りに多大なご協力をいただいた東芝ソフトウェア技術センター森俊樹氏、山田淳氏に感謝する。

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