「グロース・ハッカー」読了
遅まきながら「グロース・ハッカー」(ライアン・ホリディ著)を読了しました。
翻訳はオルタナブロガーの佐藤 由紀子さん。とてもわかりやすい訳でサクサク読めました。
グロースハッカーとは、新規ビジネスを急成長させる仕掛け人のことです。多くのユーザーを獲得する仕掛けを作り、売り上げを劇的に成長させます。
こういうと「それってマーケターの仕事じゃないの?」と思われがちです。確かにマーケターの仕事とも重なりますが、従来的なマーケティング手法や潤沢なマーケティング予算には頼りません。
たとえば本書では、文末に「追伸 愛しているよ。ホットメールで君も無料メールをゲットしよう」と表示することでユーザー数を劇的に増やしたホットメールの事例が紹介されています。
この仕掛けを仕込み急成長させたのは、予算も持たず、マーケティングの経験もまったくない人々です。
このグロースハッカーの方法論について、本書は概略をわかりやすく紹介しています。
本書で「マーケティングの本質はずっと変わらない−顧客が誰で、どこにいるかだ」、「マーケティングにおける最善の決定とは、特定の人々のリアルで切実なニーズを満たす製品や事業を獲得することだ」という言葉が紹介されており、グロースハッカーが目指すところもまさに同じだとしています。
まさに私が日々考えていることであり、「我が意を得たり」と思いました。
特に、次の箇所....
---(以下、引用)---
……だが、最も効果的なのは「ソクラテス式問答法」だ。あらゆる仮定について、繰り返し質問する必要がある。
誰のための製品なのか?
なぜユーザーがこの製品を使うのか?
なぜ私はこの製品を使うのか?
…グロースハックでは、まず製品がマーケティングに値すると確信できるまでテストを繰り返す。すばらしい製品だと確信が持てたら、成長エンジンを始動させるビッグバンを激しく追い求めるのだ。このビッグバンがなければ、製品がどんなに良くても成功しない。
---(以上、引用)----
これは私は常日頃から実践しており、またクライアント様に研修でご提供しているコンテンツと同じ考え方です。
この考え方や方法論が理論的に裏付けられており、非常に納得するとともに、改めてとても勉強になりました。
グロースハッカーの方法論は、IT業界に留まらず、全ての業界で適用可能です。本書でも、著者自身が出版業界で適用して成功させた事例が紹介されています。
本書を読み、エンジニアやセールス、あるいはプロフェッショナル職の方々も、グロースハックに基づいたマーケティングの考え方を身につけることで、自分たちのビジネスを大きく成長させていくことができるようになると思いました。