景気回復、もしかしたら早いかも、という話
最新の日銀短観が12/15に発表になりました。
日銀短観は、経済動向をかなり高い精度で把握できます。詳しくは以前書いたこちらを参照下さい。
この25年間の製造業における業況判断動向は下記の通りです。
このチャートを見て驚きました。
過去のカーブの落ち込みと比べて、2008年後半からの今回の落ち込みはほぼ垂直、真っ逆さまに下がっています。
過去は約1-2年かけてなだらかに数字が下がっています。そして底を打って上昇しています。
例えば、1990年のバブル景気調整には1991年から93年末までの3年間かかり、そして底を打って、ゆるやかに経営者の業況判断が上昇していったことが分かります。
今回のような激しい落ち込みは、過去なかったことです。
この先、どうなるのでしょうか?
二つのシナリオが考えられるのではないでしょうか?
一つ目は、過去の景気循環パターンを踏襲し、比較的早い時期に底を打って、回復に向かうケース。
今回の不景気は、経営側にも労働側にも短い期間で大きな努力と犠牲を強いています。これらの調整の結果が、比較的早く出てくる場合です。世の中の変化が極めて早くなっていると言うことですね。
二つ目は、過去の景気循環パターンを踏襲せず、しばらく底に張り付いてしまうケース。ただ、モノゴトは常に波のように循環していくことを考えると、このケースの可能性は少ないように思います。
私は経済の専門家ではありませんので安易なことは言えませんが、このチャートを見る限り、来年中頃には景気回復に反転する可能性もあるように見えます。
暗い話が多い中ですが、視点を変えてみると、このような見方も可能かもしれません。
よく言われることではありますが、明けない夜はありません。
そして、現代は「バタフライ効果」(どこかの国で蝶が羽ばたくと遠くの国で竜巻が起こる)でも例えられるように、私達一人一人の力をきっかけとして相乗効果が積み重なり、大きな変化を起こしうる時代です。
私達一人一人が主体的に変えていきたいですね。