これからの日本についてもっと議論すべきことはあるのではないか?
消費税の引き上げに伴う軽減税率のことが大きく取り上げられ、今の政治の焦点のように取り扱われているが本当にそうなのか?また、イスラム国の現状に対して、来年の三重サミットをどうするか、インテリジェンス機能が必要だとの議論もあるが、何故こんなことになったのか?
民主党と維新の党が、野党の統合を目指して動いているが、どうも政治の争点が見えない。では、彼らが一つになって、与党の何に対してどのような対立軸を提供するのか?もっと言えば、そもそも我が国の政治家は、我が国の現状に対する理解やこれに対する政策を打ち出す能力があるのか?
まず、一つ目は、安保政策、つまり自衛隊の位置づけだ。この点は、憲法改正にもつながる。現政権の憲法の実質的改正を憲法改正手続きなしに進めたということは、もちろん言語道断だが、それはさておき、国際政治における我が国の位置づけをどう考えるか、という観点から議論するしかない。
中国の海洋進出や、現政権が自ら招いたイスラム国の敵対などにヒステリックになるのではなく、そもそも我が国は国際政治においてどんな役割を果たしたいのか、我が国は第二次大戦を踏まえてどんな基本理念で国家運営をしてきたのか、自国の安全保障をどんな形で確保するのか(一国に依存して自らの血は流さないのか)、そして現下の世界情勢はどうなっているのか、そのために現状のお粗末且つ付和雷同型の危機意識に基づくものではないインテリジェンス機能をどう構築するのか、という点をきちんと提示して議論すればよいのではないか?
二つ目は、経済運営だ。アベノミクスがうまく行っているなどと言われているが、そもそも既存の現状とは大きくかい離した産業構造を念頭に置いた、且つそもそも産業に関する知見が皆無の政府が主導すると主張する経済政策がうまく行くはずがない。金融緩和と無定見な円安誘導が今後我が国経済にどのような影響を及ぼすか、という点でも、容易に対立点は見いだせるだろう。
ましてや、1000兆を超える負債、年金の積み立て不足を含めれば2000兆を超える実質的負債を抱えて、引き続き国家が抱え込んだ国民皆医療・福祉の仕組みが、どのようになるのか?安易に大丈夫ですと太鼓判を押しつつ、医療・福祉支出をどう減らしていくかという根本的なライフスタイル・社会システムを構築せずに、小手先の政策運営をしてきたことの弊害はもはや包み隠すことは出来ないので、これをどう国民に対する最低限のサービスは確保しつつ、機能するのようにするのか、というのがもう一つの論点だ。
どう考えても、現政権の進め方に対して、ある程度説得力のある異論は構築できるように思えるので、このような大枠の点をきちんと整理し合意して、国民の前で正々堂々と議論を戦わせてほしい。そうでなければ、現下の独裁政権は継続し、国民の課題は全く解決されることのないまま我が国は国家としての存在を失うことになると私は思う。