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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

スタンスを明確に!

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先週海外から帰ったところだが、また来週出かける、ということで、ドタバタなので、簡単に!

普天間問題とか、TPPとか、復興財源増税とか、いろいろな課題があるが、どうも政党ごとに見てもそれぞれのスタンスがはっきりしないし、そもそもそれぞれの論点も不明確だ。

以前構想日本のフォーラムで自民党の石破政調会長が指摘していたが、いっそのこと各政治家が主要な論点についてその個人的な考え方を明確にし、これをベースに大括りの政策が一致する者同士で政党を作ればよいのではないか、という考え方もあるのではないか。因みに、構想日本では、その政治家データベースにおいて、近々現在直面する主要課題に関して、簡潔なアンケートを国会議員に対して行うつもりだ。

何が主要課題かは、いろいろと意見もあるだろうが、政治という側面で見れば、今は上記の普天間、TPP、復興財源増税、原発、9条あたりか、更に言えば社会保障、税体系、経済財政政策などもあるだろう。

普天間は、わが国の安全保障をどうするかという問題だ。もちろんアジア全体の安全保障とも密接に関連する。個別の地点をどうすべきかという点は別にして、海兵隊を現在沖縄以外に移設するというのが非現実的であることは間違いない。その意味で危険な普天間よりも辺野古という日米合意は相応の意味がある。一方で、安全保障のコストの大宗を沖縄の負担でという点は当然考える必要がある。その意味で、引き続き日米安保は重視するとしても、いつまで米国に依存するのか、今後の安全保障をどうするのか、という根本的な戦略が不可欠。つまり9条論とも関連するということだ。私は、9条改正、自衛のための独自の軍備をもつべきだという論者であり、その状態に至るまでの負担をどうすべきかということを検討すべきだと考える。一つのアイデアとして、メガフロートを作って米軍に移転していただくというのも一つだというのは以前お示ししたとおりだ。

TPPは、既にわが国がWTOの基準に正直に応えてきた結果、大部分が自由化されて、他国にとってわが国がFTAの対象として意味がなくなっている点から、競争力を保持するためにTPPに乗るしかない、後は将来の中国の更なる台頭に対して対抗する手段としての包囲網という意味があると考える。ただ、一方で食糧の安全保障などを考えると即座に乗る準備が全くできていない、また労働力確保と年金財源という観点で人的交流の自由化は貢献する部分もあると思うが、国民の心の準備は整っていない、という観点で、時期的な問題或いはステップ論などが重要になると考える。

今日はこの程度にするが、明らかなことは、例えば社会保障一つとっても、これまでの仕組みで機能しないことはもう20年以上前から分かっていたし、基地問題だって同じ、農業に至っては自由化と自国産業保護に関する議論において長い歴史がある、などなど考えると、わが国はバブルに踊り、その利益を享受した時期以降、全員が完全に思考停止に陥り、国民や国家の先行きに対する先見性もなく、ただ毎日を堕して送ってきたことだ。これは、何も政治家や役人だけではなく、企業や国民などすべての責任だ。そして、すぐ先に本当に困った事態が近付いているのに、未だに気づかず他人の責任にして憂いているという本当に困った状況なのは間違いない。

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