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時事ネタ、マーケットや経済の話を、ファイナンシャルプランナーの視点で難しい話もなるべく専門用語を使わずにできるだけわかりやすく解説します。ときどき、思いついたこともそのまま書くこともあります。よろしくお付き合いください。

今の円安は良いことなのか

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 マーケットはまさに円安傾向にあります。量的緩和による、紙幣のばらまき効果とも言われていますが、日本の貿易赤字が拡大したという、負の要素の要因の方が大きいという見方もあります。そうなると、確かに円安で株価は上がっては来ていますが日本そのものの存在が危ないので、いずれは株価は頭打ちになるということになります。円安だと言って喜んでばかりはいられないということですね。

 ギリシャ問題が終息に向かっていることから、ロンドン市場でユーロが買われたようで、ドル/円は様子見状態でした。ようは、日本が発する情報により円が動くのではなく、相手通貨のドルやユーロの事情で円が動いているということです。日本の産業構造上(原材料を輸入して製品を売る)、円高になりやすいうえに、ドル・ユーロの事情が相まって円高になっていました。

 ところが、日本の経済指標の弱さが出てきて、日本の事情からのメッセージは円安、そこに海外事情の改善によるドル買い・ユーロ買いによって円安になっていると言えます。ということは、今後は「海外強・日本弱」という構図だとすると円安になっていくのでしょうか。

 ギリシャ問題の終息は、ヨーロッパ経済の復活となりますから、経済活動が活発になることから原油の需要が伸びるとの観測で、原油が先物市場で上昇しています。イランのイギリス・フランスへの輸出停止もあって、原油価格は上昇しています。WTIでは104ドル、北海ブレントでは先物で121ドルまで上昇しています。今後、中国の金融緩和、内需拡大による原油需要が伸びそうなことから、原油価格は上昇する余地は大いにあります。

 日本にとっての円安は、原油価格高騰によるコスト上昇という、好ましくない物価高を招きます。貿易収支の赤字幅拡大に加えてのコスト高は、株価にはあまりよくないですね。円安だからと言って、株価上昇期待が強すぎるのも危険なのかもしれません。 

 とはいうものの、今の日本株式市場は割安であることは間違いありません。外国人投資家のポートフォリオが日本市場のウェイトを高めているのもよくわかります。短期では、円安も手伝って株価上昇機運は高まるのかもしれません。円安で企業業績も改善されるでしょうからね。ただ、解散総選挙となると様相は変わるでしょう。今年半ばまでの株価上昇、解散後は小康状態と言う感じですかね。日本の強いメッセージで相場が動いてくれるのであればこんなに悩まないのですがね。 

 やはり、これからは為替で稼いで、海外口座を開いて外貨で保全が一番なのかもしれません。
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