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時事ネタ、マーケットや経済の話を、ファイナンシャルプランナーの視点で難しい話もなるべく専門用語を使わずにできるだけわかりやすく解説します。ときどき、思いついたこともそのまま書くこともあります。よろしくお付き合いください。

人が変われば企業が変わる

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 ファイナンシャルプランナーという資格で、経営コンサルティングを行っています。ファイナンシャルプランナーは、資産の構築、育成が仕事です。個人では貯蓄ができる家計に改善し、増やしていきます。企業においても、内部留保金(=緊急予備資金)の確保、資産の積極的活用を提案しています。
 ここで言う資産は、現金そのものだけでなく、や有価証券や不動産などの現金を生み出す資産も当然入ります。ただ、それだけではありません。「人材」という、実際に清算するヒトも大事な資産です。「ジンザイ」を文字にすると「人材」「人財」となります。
 資産をただ眠らせていると、インフレリスによる価値の目減り、本業の補てんだけでは、いずれ枯渇してしまいます。単なるストックでは、価値は減りしていきます。ヒトも、何の手当てもせず、単なる会社の「駒」扱いでは、また、その人の価値を見いだせない環境や、評価制度であれば、大事な人材(人財)は「人罪」となってしまいます。
 
 企業が、後方(バックヤード)の憂いなく、生産活動に、営業活動に専念できるようにするために、ITを含めたシステム構築や管理体制の改善、無駄の削減ができる会計システムの構築など、多くの経営コンサルタントの方が行っている方法でもあります。
 積極的な攻めの提案では、広告伝部に特化したマーケッティング提案、ネット活用などが挙げられます。
 しかし、最も大事なのは、「人が変われば企業が変わる」というところに踏み込むことです。無駄、財務のロスも、顧客からの評価の回収、すべて「ヒト」が行うものです。モラルの低下は、業務の効率低下を生み、結果、無駄が生まれます、企業利益の喪失です。新規マネーの獲得はできず、その改善もなされません。資産の食いつぶしとなってしまいます。
 ITを駆使し、財務諸表改善のための経費削減を行っても、それを実際に運用するのは「ヒト」です。マーケッティングで子お客開拓しても、顧客との繊細なグリップは「ヒト」が行います。無駄を生むのも、ニューマネーを生むのも、すべて「ヒト」です。

 資産構築は、資金の積極的運用は、不可抗力による本業の補てんとして必要です。企業においては、資産運用から、ランニングコストを生み出すことを、積極的に求めるものではありません。企業保全のための運用になります(個人の資産運用は積極的収益確保です)。意外に、どの企業の社長さんも、おやりになってらっしゃらないところではありますが、これからの時代には必要です。大手企業では、本社に必ず金融部門はあります。
 「ヒト」の改善は、まさに本業の立て直し、あるいは本業の拡大にもろかかわりのあるところです。「ヒト」のやる気が、企業業績そのものといても過言ではありません。それゆえ、経営者は、職場環境や職場風土を、職場の風通しや雰囲気を大事にするのです。そのために福利厚生が存在するのです。

 「ヒト」のモラルアップは、第三者の評価に依存します。評価システムの公平性、透明性が必要不可欠です。自分が求められ、必要とされているところに、大きな力は生まれます。それが健全な企業の在り方でもあります。

 皆さんの会社は大丈夫ですか。システムや便利な道具にも、心が、魂が宿らなければ、ただのtoolでしかないのですよ。
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