デンマークでプリペイドのSIMカードを買うと・・・
とても簡単に買えます。身分証の提示や住所の確認も無し。
「SIMカードくださいな」
「どれがいい?」
「ここは、デンマークだからTDCモバイル!」
「はい、100クローネ」
そう、デンマークは、EU加盟国でありながらも、ユーロに参加していないため、通貨はデンマーク・クローネなんです。1デンマーク・クローネは、約20円。つまりプリペイドのSIMカードは2000円で買えます。プリペイド式の通話料金は1分につき2.6クローネ(52円)です。ちなみに月極契約の場合は、1分につき0.85クローネ(17円)とかなり安いようです。
SIMカードが簡単に買えたうえ、特別な設定をしなくても、TDCモバイルのウェブ・サービスも利用できるのですが、ちょっとした落とし穴があります。それは、携帯電話を起動させた時に、4桁のPINコード(暗証番号)を入力しなければならないこと。もちろんSIMカードのパッケージに記載されていて、覚える努力はしたのですが、外出先で、ど忘れしてしまうんですよ、これが。PINコードを3回誤入力すると、PINコード自体がブロックされてしまいます・・・。この場合は、パッケージに記載されているPUK(Personal Unlock Key)コードを入力して、PINコードを再設定しなければならいので、迷わず「0000」に設定しておきましょう(オランダでは初めから0000に設定されていました)。
ところで左の写真は、TDCモバイルのボータル・サイトの画面。全然やる気が感じられません。TDCモバイルのショップも、携帯電話だけでなく、パソコンや、その他の電子機器を併売しているところばかりです。デンマークでは、TDCモバイル以外のキャリアは、"3"とテリアの2社だけです。
なんで、こんなにやる気が無いのかな、と考えると、デンマークって、携帯電話の技術や製品に関しては、隣国スウェーデン、フィンランドに負けているし、携帯電話キャリアとしてグローバル展開する野心を持ちたくても、英独仏の大手には勝ち目がないし、という状況に置かれています。携帯電話で頑張っても、どうせ外国の企業に利益を持っていかれるだけだし、だったら通話料金を安くしときましょう、という感じですね。
自国の技術や製品を国外に広めていく、あるいは、携帯キャリアとしてグローバルに展開する。この2つのうちの、どちらもなしえないのならば、通話料金を下げて、消費者の利便性を向上させるしかないのです。携帯電話産業における、まっとうな産業政策とは、そういうもののはずです。