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「ITmedia マーケティング」(7月17日オープン予定)の立ち上げに向けて現在、準備作業にいそしんでいます。最新のマーケティング・テクノロジーに驚嘆し、伝統的なマーケティング思想の奥深さに感嘆する日々です。

フラッシュモブズ:「公共の場所」で「集団」が「突然」「何かをしはじめる」

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先週の「スーパープレゼンテーション」(NHK Eテレ)ではチャーリー・トッドの「バカバカしさの共有体験」というプレゼンが紹介されていましたね。彼は「Improv Everywhere」というグループを主催していて、公共の場所でいたずらを仕掛けるのを楽しみとしている人です。僕は「地下鉄のエスカレーターでロブとハイタッチ」というパフォーマンスが大好きです。

 
 
昨年(2011年)「フラッシュモブズ」(伊藤昌亮、NTT出版)という分厚い本が出ました。この本が出る以前からYouTube では、「公共の場所」で「集団」が「突然」「何かをしはじめる」というアクシデント・パフォーマンスの映像がたくさんアップロードされていました。そういうパフォーマンスを称して「フラッシュモブズ」というみたいです。代表的な「フラッシュモブズ」といえば、通行人が突然凍り付いたように動かなくなる「Freeze」シリーズです。「London Freeze 2008」はトラファルガー広場で不意に人々が動きを止めます。


アントワープの駅構内で通行人がいきなり「サウンド・オブ・ミュージック」を踊り始める「Sound of Music | Central Station Antwerp」も素晴らしいです。



街を歩いていて偶然こういうアクシデントに遭遇すると、とりあえず、一緒に凍ってみたり、踊ったりしてから、Facebook やTwitter でつぶやき、家に帰って家人に面白おかしく尾ヒレをつけて話したりしますね。そうして事件の噂はどんどん拡散していくわけです。企業のマーケティング担当者なら一度は必ずこういうことを企画したいと思ったことがあるはずです。

しかし、「フラッシュモブズ」という本にもありましたが、人間の集団行動というのは一筋縄ではいかないきわめて複雑な事象のようです。リスク回避に気を遣いすぎると、祝祭感が薄れて退屈になりそうですしね。
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