オルタナティブ・ブログ > 栗原潔のテクノロジー時評Ver2 >

知財、ユビキタス、企業コンピューティング関連ニュースに言いたい放題

セールスフォースドットコム社CMOにインタビューしました

»

Salesefore.com社が開催したイベントCloudForce Japanの会場で、同社CMO(Chief Marketing Officer)のKendall Collins氏にインタビューしてきました(ブログ掲載が遅くなってすみません)

SFDC_CMO

まず、Salesforce.com社における最近の動きについて質問しましたが、Collins氏は最も重要な点としてService Cloud2(コールセンター向けSaaS)におけるソーシャルメディアのサポートを挙げました。具体的には、facebook、twitter、そして、mixi等との連係機能です。この後、ソーシャルメディア全般の話で盛り上がってしまい結構な時間が立ってしまいました。

「日本でもソーシャルメディアは大きな流れになっていますが、まだ若い人々中心、テクノロジー好きな人中心という感があり、ビジネスの世界で一般化したとは言えないと思います」との意見を述べると、Collins氏は「それは時間が解決する問題だと思う」と回答。「米国のソーシャル・メディア普及は段階的に進んできたのでしょうか、それとも変曲点があったのでしょうかか」との質問には、米国の場合ではやはりfacebookが変曲点だろうとのお答え。

周知のようにfacebookはハーバード大学の学生向けソーシャル・ネットワークとして作られました。ハーバード大というのがポイントで、卒業生たちが社会に入って要職に就いてからもfacebookを使い続けたことが、facebookが企業の世界でも普及してきた理由のひとつだろうということです。

他に、Salesforce.com社の動きとしてはエントリー向けサービスであるContact Manager Editionの発表を挙げていました。個人事業者や小規模企業向けのシート当たり月額1000円程度から利用可能なサービスです(「テックバイザーでも採用してはいかがですか?」と言われました)。もちろん、データを維持しながら上位サービスにアップグレードも可能。このような小規模なケースからたとえば損保ジャパンなどの超大規模事例までシングル・コードベースで対応できるところがマルチテナントSaaSの強力なポイントだと思います。

また、個人によるSalesforce.com社SaaSの活用事例として興味深いものを教えてもらいました。Chester Frenchというバンド(ハーバード大出身のポップデュオ)がSalesforceのサービスを使ってファンの管理を行っているそうです。レコード会社や事務所ではなく、ミュージシャン自身が使っているということがポイントです。たとえば、公式サイトでファンクラブのメンバーが新曲の感想を書くとポイン トがもらえて、ポイントがたまるとノベルティがもらえるなどの仕組みを管理しているそうです。

また、日本においてのマーケティング活動についても質問しました。「日本はかなり特殊性の強い市場であることは理解しています。具体的にはハイエンドのお客様にまず採用してもらうという方向性を取り成功できたと思っています」とのことでした。

11月に米国で開催予定のイベントDreamForceでは例によって大きい発表があるそうですが、「ヒントだけでも」という質問には完全にノーコメントでした。まだ、社内でも知る人が少ないお話しであるようです。この件については11月をお楽しみに。

※ 本記事はテックバイザージェイピー公式ブログ「栗ブログ」からの転載です

Comment(0)