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クラウドはバズワードで終わるのか?

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Twitter経由で「クラウドはバズワードで終わると思っています。理由は、丸山(不二夫)先生が興味を持っているから」などと書いているブログエントリーを知りました。今まで丸山先生が持ち上げたテクノロジーはことごとく普及していないことから、その経験則によ予測したということのようです。ちょっとひどいなあと思いましたが、丸山先生同意の下でブログに書かれているようです(先生も懐が深いですね)。

この経験則の妥当性についての議論は置いておきますが、私も「クラウド」が言葉としては短命である可能性は高いのではと思っています。往々にして耳あたりの良い言葉(使いやすい言葉)は乱用されて陳腐化・希釈化される可能性が高いです。結果的に、(笑)を付けてネタにされるような言葉になってしまいがちです(例: Web 2.0(笑)、キャズム(笑))

しかし、言葉として消え去るのと概念(考え方)が消え去るのは違います

たとえば、現時点で「マルチメディア」という言葉を使う人はあまりいません。死語になっていると言ってもよいでしょう。しかし、もちろん、マルチメディア的な考え方が消え去っているわけではありません。逆に、当たり前になり過ぎて特別な言葉としてわざわざ言うまでもない状態になっているということです。E-ビジネスなども同じでしょう。

そういうことで、「クラウド(笑)」の世界になっても、「外部のデータセンターで稼働するサーバから提供されるサービスを活用する」という考え方自体が消え去ることはないでしょう。クラウドという言葉が消え去っても、ユーティリティコンピューティング→グリッド(広義)→クラウドというように新しく言葉が作り出されてきたように、何か新しい別の耳あたりのよい言葉が考えられているだけの話です。

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