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ニコニコ動画の偽サイトと特許について

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Twitterのタイムラインから知りましたが、ニコニコ動画のほぼコピーのBamzuku.comというサイトがあります(ニコ動をリバースエンジニアリングして作ったようです)。YouTubeの動画にコメントをオーバーレイするという懐かしい作りになっています。さらに、このサイトは、丸ごと売りに出されているようです。

非同期で動画にコメント付けするサービスのおもしろさは本質的なものだと思うので、外国でもニコ動的なサービスが流行る可能性は十分にあると思います。

ここで、気になるのが、このブログでも書いたニコ動に関してドワンゴが出願している発明です(関連エントリー1関連エントリー2)。

一般に特許権はそれが成立した国の中でしか効力がありませんので、仮に日本で特許権を取得できても海外での使用を差し止めることはできません(ネットサービスで国をまたがってサービスを提供する場合は微妙ですが)。

しかし、WIPO(国際知的所有権機関)のサイトで検索すると、ドワンゴはニコニコ動画の関連特許(上記に挙げた2つとも)(上記の関連エントリーで挙げたものとは別)を国際出願していることが判明しました。国際出願とは多数の国に向けて同時に出願するための制度です(あくまでも出願が一斉にできるというだけで、登録されるか(特許権が得られるか)どうかは各国の審査しだいです)。

ニコ動特許が米国で成立するのか、もしそうなったらBamzuku.comのサービスがこの特許に触れるのかについては何とも言えません(知ってて発言できないという意味ではなく、ちゃんと調べないと判断できないという意味)が、ドワンゴがニコ動に関して本気であることだけは確かのようです。

追加: はてブの指摘で気づきましたが、国際出願されているのは上記の関連エントリーとは別の件でした(というか、ニコ動関連の特許出願はその後も公開されていたのでした)どうもすみません。いずれにせよ、ドワンゴがニコ動関連の発明を国際出願しているのは確かであります。

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