FASTfoward08便り(3)
前のエントリーで書き忘れましたが、Don Tapscott氏の話で「グーグルは米国で第4位のハードウェア・ベンダーである」というのがありました(どういう文脈で出てきたのか忘れてしまいましたが)。グーグルの膨大なサーバ群は独自設計で自社で組み立てているので、それをハードウェア製造とみなせばということでしょう。グーグルの規模のすごさもわかりますし、コモディティ化したインテル・ハードをあえて自製するということの意味も考えさせられます。
さて、参加者に配られた資料の中に、「世界初のソーシャル・ネットワーキング・アプライアンス」なんていうのが入ってました。Connectbeamという会社の製品です。「アプライアンス」と称する製品共通に言えることですが、インテル・サーバにソフトをプリインストールして売るのとどこが違うのでしょうか?展示ブースに行って聞いてこようかと思いましたが、取材や原稿書き等でばたばたしているうちに聞きそびれてしまいました。考えられるシナリオは、「ハード+ソフトとして売ってもよいが、そうすると、『このソフト保守料金とは何か?ただにならないのか?』とか予算管理部門からいろいろ言われてうるさい。アプライアンスとして売るとコピー機みたいなものと思われて予算が取りやすい」という裏の事情があるのではということです。定かではありませんが。
今回のFASTforwardのテーマは、"The User Revolution"です。そのまんまではありますが、まさに現状起きているパラダイムシフトを表していると思います。この言葉を作り出したSafa Rashtchyというアナリスト(元Piper Jaffaryという投資銀行のディレクターだったようですが、現在はフリーランス?)が"Six Themes of The User Revolution"というテーマの講演を行いましたが、これがなかなかおもしろかったです。この6つのテーマとは、
- Commumitainmentの台頭(Communitainment=Communication+Community+Entertainment)
- Usite(ユーザーのコンテンツが中心のサイト)の人気拡大
- インターネットのメインストリーム化
- 従来型メディアの使用低下
- コンテンツ利用のフラグメンテーション
- User Generataed Brandの拡大
です。それほどびっくりするような話はないのですが、元投資銀行系のアナリストらしく、確固たるデータに基づいたまとめた方はすごくうまかったです。たとえば、2006年から2007年を比較すると従来型サイトのビジター数が4%しか伸びていないのに対して、Usiteは60%近く伸びているとのことです。
このFASTfowardというイベント、サーチ・テクノロジーの会社のイベントでありながら、サーチだけではなく、サーチを取り巻くネットのパラダイムシフトが広くカバーされており、ネタの宝庫とも言えるイベントです。マイクロソフトの買収により独立したイベントとして継続できるかどうか微妙なのかもしれませんが(現時点では来年もやる予定のようです)、是非続けてほしいと思いました。