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IBMもWeb 2.0を語り始めた

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先日、IBMリサーチ(基礎研究部門)戦略VPのArmando Garcia氏にインタビューする機会がありました。商売柄、ベンダーのトップマネージメントとのインタビューはよくやりますが、基礎研究部門の方とお話しできる機会は貴重です。既に別のところで記事になっている内容のレベルの範囲内でご紹介します(これくらいはオープンにしてしまって大丈夫であろうという判断です)。IBMリサーチでは、今後3年~7年の間に特に重要となる研究課題として以下の5点を挙げています。

  • テクノロジー・アップデート
     ここでいう「テクノロジー」とは半導体テクノロジーのことです。CMOSテクノロジーのさらなる強化とCMOS以降テクノロジーのお話。
  • イベント・ドリブン・ワールド
     センサーやRFIDの普及により、情報システムの作り方がどんどんイベント・ドリブンになっていくというお話し。ミドルウェアやアプリケーションの設計手法に破壊的な変化をもたらす可能性があります。私個人としても注目しているテーマです。
  • アプリケーション最適化システム
     システムを特定のアプリケーション向けに最適化する、たとえば、IBMのメインフレームではJava専用プロセッサが提供されていますが、そういう方向性のお話です。
  • ソフトウェア革新の加速
     実は、ここでの主要テーマはWeb 2.0です。IBMのプレゼンでO'Reillyのミーム図が出てくるとは思いませんでした。オープンソース的な開発モデルとユーザー自身によるマッシュアップ統合などに焦点が当たっていました。
  • サービス 2.0
     ここでいう「サービス」はSOA(サービス指向アーキテクチャ)の「サービス」ではなく、SaaS("Software as a Service")の「サービス」のお話し。ソフトウェア・サービスの粒度がどんどん細かくなっていくというようなお話しです。

 全体的にWeb 2.0系の話にかなり力が入っていたのが印象的でした。今のところ、一般企業向けのシステムベンダーで、Web 2.0に言及しているところはそれほど多くありません(明後日にはサンのWeb 2.0イベントがありますが)。依然としてエンタープライズ・コンピューティングの世界とWeb 2.0の世界は別物みたいな認識が主流なのかもしれません。しかし、少なくともIBMは今後Web 2.0の世界に全面的にコミットしてくる可能性があります。

 ところで、Web 2.0のところでも半導体テクノロジーのところでもIBMはパートナーシップ、コラボレーション、エコシステムを強調していました(これは、同日にあったパルミザーノ氏のスピーチでも同じ)。通常、業界のトップ・ベンダーは何でも自分でやるという戦略を採り、それに対して二番手以降のベンダーが合従連衡で勝負するというのが通常の姿なのですが、IBMは多くの分野でトップでありながら、合従連衡も追求してしまうという戦略を推進しているわけです。競合ベンダーにとっては相当に手強いと思われます(これは今に始まった話ではないですが)。

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