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音楽業界もどんどん中抜きしよう

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SMEがiTMSに参加しないのに業を煮やした佐野元春が直接iTMSに楽曲を提供する意図を表明していると言う記事

レコード会社って、コンテンツ制作会社と思っている人が多いかもしれませんが、実態はCD製造販売会社に近いですね。コンテンツ(音楽)を制作するのはあくまでもアーティスト側です。もちろん、レコード会社は施設(スタジオ)や資金を提供したりとか、プロモーションしたりという役割はありますが、それはアーティスト側が自前でやることもできる話です。

ネットによってあらゆる業界でバリューチェーン再構築(要するに中抜き)がおきてますけど、音楽業界も例外ではないです。どんどん中抜きして、アーティストと音楽ファンができるだけ直につながる世界が来て欲しいものです。既得権を守ることだけを考えているレコード会社の人は早く目を覚ましてください。

ところで、値段が安くなるというのももちろん大事なんですが、ネットによってマスプロダクションでは採算が取れないロングテール側のアーティストがビジネスになるようになるというのも大事だと思います。今のネットミュージックの世界は、「メジャーなものを安く」というベクトルで動いてると思いますが、「入手困難だったマイナーな音源をちょっと高くても入手可能に」というベクトルでも動いてほしいものだと思います。

Comment(17)

コメント

いい音楽やアーチストを発掘して世の中に紹介するというお仕事は、どこかで誰かがやる必要ありますよね。それをレコード会社がやるべきだ、とは思いませんが。どちらにしても、音楽ビジネスの構造変化は必然でしょうね。

栗原 潔

新人発掘はプロモーションの中に含めて書いたつもりだったんですが、いずれにせよ重要かつ差別化できる仕事ですよね。もちろん、レコード会社がやっても良いですけど、独立系の事務所がやっても良い話ですよね。
目利き音楽投資集団に自らをトランスフォームできないレコード会社の将来はかなり危ないと思います。

レーベルも意識が高いところは変わりつつあります。

メジャー初のデジタルダウンロード専用レーベル「UMe Digital」が発足
Live 8開催直後のチャリティー配信もUniversalがやったもので、iTMSだけでなく、数十の音楽サービスに提供をしたそうです。

livinginabox

まあ、自前でできるプロモーションという程度しか、プロモーションしてもらえないならレコード会社と契約する意味はないでしょうね。
普通は、プロモーターとかマネージャーとか用意して、アーティストが創作活動に専念できるような環境作りをしてくれると思いますが、互いのために契約金とか契約年数みたいな縛りがありますよね。それで売れた人は、もっと「自由な世界」にはばたいていくということはあるかもしれません。野球のFAみたいなものかな。:-)

栗原 潔

自前と書きましたが、自腹と言うことではないですよ。要は金を持っている人・会社が投資してくれれば、それはレコード会社である必要はないのではということです。
アーティストの収益性を予測する目利きのアナリストを抱えて、資金を集めて有望アーティストに投資する投資銀行みたいな組織があっても良いと思います。

レコード会社の別名が「音楽出版社」というくらい、ビジネスが出版社に似てるのは周知の事実だと思ってました。いわゆる出版系とはあまりに人種が違うので、全然そんな気がしないのですけれど。
 メジャーに移ると売らなくちゃいけない枚数が増えて大変だから行きたくないという話も聞いたことがあります。

栗原 潔

あと、デジタルテクノロジーの進展でマンションスタジオでもCDクオリティの作品ができるようになってしまった点も大きいですね。
いずれにせよ、ルールはシンプルで、バリューチェーンで独自の価値を提供していればOK、そうでなくて単に物や情報を右から左に移すだけで金を抜いているのであればご退場ということでしょう。

livinginabox

> 自前と書きましたが、自腹と言うことではないですよ。
もちろんですとも :-) 眞鍋かをりが歌手デビューしたら“自前”でプロモーションできるかもしれませんが ;-)
フジテレビと仲良くなった(はずの)ライブドアが進出して、フジテレビの番組の主題歌に優先的に採用してもらえるとかね。まあ、ああいうのも、色々しがらみとかありそうですが。もっとも、アーティストって音楽(配信)「だけ」をやってるわけじゃないケースも多いので、メディアと無関係の組織が手を出すのは難しい気もします。
あと、「レコード会社=CD製造販売業者」と言われたら怒るレコード会社も多いでしょう。

バリューチェーン再構築よりもレコード会社が再販制度を廃止しなくてはと思うような状況を作る事の方が優先だと思います。
再販制度のせいでレコード会社は合法的に談合できるわけで、そもそも競争の無いところにバリューチェーンという概念自体存在していないと思うのですが;

saito-m

>「入手困難だったマイナーな音源をちょっと高くても入手可能に」
私もこれに期待してます。そうあるべきです。

ちょっと前にShayan Italiaという人がeBayだったかで投資を募集して、レコーディング費用を集めたというのがありました。売れたら10%だかを投資に対して払うといった取り決めだったと思います。実際に投資があり、CDの制作が行われたようです。こういうのが増えてくるかも。ネット販売であれば初期コストも安く済むし、投資としては面白ろそう。

レコード会社について書かれているようですが、iTMSがレコード会社の代替になっただけで、これをもって中抜きというのはどうかと思います。抜かれたのはレコード会社ではなく、その先の卸、物流、レコード店ではないのでしょうか。ここが障害となっているマイナーな音源にとっては、配信サービスは有益な手段だと思います。
 それから、アーティストに対する投下資金ですが、最近の音楽業界は5億投入して10億稼ぐようなビジネスに成り下がっていますので、特に他人の資金をアーティスト個人で受け入れるとなると、アーティストの方も(今よりもっと)マスに迎合して売れる作品を作ることを優先してしまうのではないでしょうか。レコード会社は、売れたアーティストから上がった利益の一部を、将来性のあるアーティストや売れていないけど重要な作品を作る中堅アーティストのプロモーション費用に投じている訳で(理想ですが)、現在でも一応目利き音楽投資集団なんだと思います。(私は特に業界の人間では有りません。念のため)

栗原 潔

今までのiTMSの使い方は、CD用にレコード会社が(レコード会社の金で)製作した音源をiTMSに乗せるということなので、抜かれてるのは流通だけです。ところが、今回の件は、佐野元春さんがレコード会社に頼らず自分で製作した音源を直接iTMSで売るぞと言っているわけなので、レコード会社そのものが抜かれているということになります。
あと、当然マス指向の音楽は増えてくるでしょうけど(というか既に多すぎ)、ネットで音楽を売ることの敷居は下がりますので、特定の人向けの濃い作品(要するにロングテール)も増えてくると思います。二極化の方向性だと思います。

livinginabox

> マスに迎合して売れる作品を作ることを優先
きっとアーティストの意向次第でしょう。それに「売れたい」というのは普通の感覚だと思います。:-)
大手のレコード会社に属せば、特定の人向けの音楽を、大衆に広めてくれるかもしれない、と思う人もいるかもしれません。

特定の人向けの濃い作品を、適切な人に対しアプローチする方法が重要になりそうですね。玉石混合のネットに置かれたままでは、作品も埋もれてしまうだけでしょう。現在のネット検索技術では、知らないものは見つからないですから。

livinginabox

玉石混合→玉石混淆 :-)
> 適切な人に対しアプローチ
大賛成です。整理された情報は貴重。
> 知らないものは見つからない
一応、今の検索スタイルでも、リンク先で関連するものが見つかったりするとは思います。要するに安心できる情報を提供するポータルが求められるんですよね。それを作り上げられれば「大手」メディアに成長できるかもしれません。

silverhead

livinginaboxさん、誤字を直して頂いてありがとうございます。泣)
ところで、以下はまさにそういった「知らないものを見つける」ためのポータルになるかも知れないサイトです。
http://www.favoritedb.net/

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