イヤホン:カスタムイヤーピースを作成
久しぶりのイヤホンネタです。
これまでたくさんのイヤホンを購入し、カスタムIEMの自作もたくさんしてきましたが、結局普段聞きたくなるのは、ほぼ2個で、そのうちの1個がT8IEというイヤホンを丸ごと耳に会わせたシェルに入れたものです。
なぜか最近左耳がたまに音が途切れるようになり、MMCXプラグが悪くなってきたかと交換することに。両耳用のフェースを剥がして、プラグを交換してフェースを作り直して・・・
せっかくなので、知り合いが扱っているダイヤモンド(本物)を埋め込んでみました。小さくても高いのですが、とても綺麗!
でも、やっぱり左の調子が悪く、一度完全に左だけ分解。
左だけ配線もやり直して作り直し。
ちょっと出来具合に差ができたものの、まずまず。
と、思っていたのですが・・・
やっぱり左の調子が悪く、両耳ともユニットを取り出して検討することに。片方グリルがありませんが、単に外れているだけです。
T8IEはこのような症状が良く発生したという情報もあり、本体が悪い可能性も高いので、T8IEの後に出たT8IE MK2とXELENTO REMOTEを聴き比べて、中古ですがXELENTO REMOTEを手に入れておきました。中古でも高いので手持ちの使っていなかったイヤホンを下取りに出すなど苦労しました。
まあ、外観は色合いやロゴが違うくらいです。
XELENTOをカスタム化して・・・と思ったのですが、またそれで調子が悪いと嫌なのと、T8IEも取り出すと調子が良い気もするので、少し考え、カスタムイヤーピースを作って見ることにしました。BitSoundというカスタムイヤーピース作成のサービスがありますが、やっぱり私としては自作してみたいので、自分で。
イヤホン本体の型を取ります。これを少し整形して耳型のメス型に沈めて作ったのですが、1回目はとりあえず失敗。後から削って加工するのは無理ということが分かりました。
こんな感じにUVレジンに半分埋めて固めても、ブルーミックスの型の整形が悪いので、そもそも取り出せず、破壊しながらなんとか取り出しても、イヤホン本体が入らず、削って調整はまず無理という感じでした。
もう一度型を取り直し。さすがにイヤホン本体をシリコンに沈めることはできませんし、できれば型はブルーミックスで作りたいので、たまたま手持ちのお湯で温めると柔らかくなる型取り用のものを使いました。
ちなみに、イヤーピースがつくところにはイヤーピースのゴムの部分だけをはめています。これはカスタムイヤーピースに埋め込んで使います。
型をこんな感じに少し整形しておきます。イヤーピースのゴムを埋め込む部分と、コネクター装着部分は少し大きめにしておくのがポイント。しかし、良く見ると「R」のロゴとかもちゃんと写されているのが凄いですね〜。
こんな感じです。
耳型にブルーミックスで作った型を入れて、UVレジンを適量入れて固めます。完全に埋めてしまうともちろん取り出せなくなるので、半分くらい埋まるくらいで。なお、ブルーミックスの型には剥離しやすいようにシリコン剥離剤をスプレーしておくのが良いです。
今度はブルーミックスの型も少しレジンを削るだけで取り出せ、イヤーピースのゴムの部分を埋め込んで、綺麗に整形して完成。イヤーピースのゴムの部分はグミタイプのUVレジンで埋め込みました。
まあまあ綺麗にできた感じです。
こんな感じにイヤホン本体を着脱できます。
こちらから見ればカスタムIEMそのものですね。
T8IEもXELENTOも同じサイズですので、どちらでも楽しめます。
直接装着したのとほぼ同じくらいの位置にイヤホン本体がある感じです。
普通の(と言っても自作ですが)カスタムIEMと比べると少し小ぶりに見えます。
装着状態も地味ですね。この方が目立たなくて良いという人も多いかもしれませんが、耳への着脱が少しやりにくい感じです。
ちなみに、周波数特性を測ると・・・
青い方がカスタムイヤーピースですが、コンプライをつけて測定した赤い方に比べて高音が伸びています。ユニバーサルモデルのイヤホンはイヤーピースで音が変わるのですが、コンプライのように吸収するようなタイプだとやっぱり高音が減衰しやすく、こもりがちですが、カスタムイヤーピースだと固い素材なので高音が綺麗に通ります。
実際に聴いてみても、低音は変わらず、高音が爽やかになり、満足なのでした。
まあ、はっきり言って完全に埋め込むカスタムIEM化の方が作業は簡単ですが、たまにはこういうのも面白いものです。