「プログラマーでありたい!」けど、年齢は本当に関係ないの?
先日「プログラマーでありたい!」で、いくつになってもプログラマーで活躍する話しを書きましたが、何となく中途半端だった気がしていました。その理由は「待遇に関すること」が書いてないからだと思います。
他国のことは詳しく知りませんが、少なくとも日本では「勤務年数を重ねるごとに待遇は上がっていくもの」というイメージが今でもあると思います。以前のように歳を取るごとにという年功序列のイメージは薄まった気もしますが、それでも「昇給」というものは基本的にまじめに勤務していれば毎年あるもの、というイメージはあるのではないでしょうか。
たしかに、前向きにまじめに勤続年数を重ねれば、その組織にとっての重要度も大抵は上がっていくことが多いでしょうし、上司もそのように育てるでしょうから、「勤務年数を重ねるごとに待遇は上がっていくもの」というのはある程度の年齢までは正しい気もします。
あるいは、若手は採用時点からしばらくの間の待遇が、実際の価値より低いため、まじめに勤務を重ねてくれれば価値に見合う待遇に上がっていくのがちょうど良いというケースもあるかもしれません。
いずれにしても、プログラマーであっても「勤務年数を重ねるごとに待遇は上がっていくもの」というのは、少なくとも若いうちは当てはまっている気がします。
難しいのは転職の場合でしょう。若い人の場合は能力と価値のバランスから、本人も採用する側も待遇に関してそれほど食い違わずに話がまとまりやすいかも知れません。しかし、ある程度の年齢を超えると、元の勤務先では勤務年数を重ねることによる価値があったとしても、転職先でも同じ価値を求めているかどうかは難しいところかも知れません。その点、マネージメント系の経験・能力というのは比較的どの組織でも必要なので価値が一致しやすいかも知れませんし、営業系の能力・人脈も価値が分かりやすいかも知れません。しかし、技術系、とくにプログラマーの場合はなかなか難しい部分なのかも知れないと感じています。
プログラマーももちろん豊富な経験により歳と共に実力をアップし、プログラマーとしての価値で誰もが必要とするような能力を身につけ、アピールできる人も確実にいます。実際当社で一緒に仕事をしてくださっている私より少し年上のプログラマーの方は、知識・コーディング力・品質・問題解決能力が高いのはもちろん、前向きな姿勢や、困っているときには率先して行動してくださること、あるいは他のメンバー達からも信頼され、頼りにされている状態など、さすがという人であり、当社の社員ではないので一概に比較できないのですが、それなりに高い対価をお支払いしてきています。
しかし、技術面で確かに優れている人であったとしても、例えばその人が40歳だったとして、30歳くらいの人と同じような能力であったなら、採用する側としては30歳くらいの人と同じ待遇でと考えるのは当然です。さらに、私のように歳相応に(?)頑固で、新しいプログラミング言語などに耳を貸さないようなタイプであれば、若い人の方がはるかに技術的には活躍の幅が広いかも知れません。ここがある程度の年齢を超えたプログラマーの難しいところではないかと思うのです。
著書「プログラムは技術だけでは動かない」にも書きましたが、知識で勝負するのではなく、何を生み出し、何を解決し、何を実現してきたかで勝負するような意識で仕事をしてきたのであれば、自分を高く売り込むことが具体的にできることでしょう。しかし、受け身の開発を続けてきた人は、いろいろできるけど、その人でないとならない何か、という点が売り込めないと、若い人との比較で苦しい状態になってしまうことが多いのではないかと思います。
このあたりを書かずに、「プログラマーでありたい!」と書くのは少し片手落ちと思い、書いてみました。あくまでも私のイメージですので、これが真実とは取らず、こういう考えもある程度で参考に読んでいただければ・・・。