バイオリンのペグ調整
またまたオタクネタです。こんな情報も誰かの役に立つこともあるだろうということで・・・
高校時代に、母校の近所で交流があった某高校の部室に転がっていた、ネックの折れたバイオリンをもらってきて、自分で修理して使っていたことは前に書いた気もしますが、このバイオリンを息子に貸して、二人でたまに練習し始めました。
しかし、当時からペグ(糸巻き)の調整が上手くできず、この写真で見ても右のこのバイオリンだけペグがかなり長く飛び出ています。
おまけに、折れていたのはペグが刺さるヘッドの部分で、そこがどうも剥がれてきた感じで、ちょうど割れ目を通るG線のペグが回しにくくなってきました。
そこで、工具をネットで取り寄せて調整することに。まずはヘッドの穴の調整です。専用のリーマーを差し込んでみると・・・全然角度が合ってません。ペグの頭がある側の穴が大きくなってます。実は高校当時、工具など買えるわけもなく(というか、今のようにインターネットで簡単にマニアックな道具を買える時代ではありませんでしたし)、ペグを紙やすりで適当に細くして使っていたのが問題だったのです。ペグは部品として売られている状態はかなり太めになっていて、楽器の穴に合わせて細くして使うのですが、紙やすりでまっすぐ綺麗に細くできるはずがありませんからねぇ。強引に使っているうちにどんどん太い側の穴が削れて大きくなったのでしょう。
角度を合わせるとかなり穴が大きくなってしまいました・・・。
続いてペグ削り機でペグの角度も正しくしようとすると・・・バイオリン・ビオラ用を買ったのですが、細すぎです。これでは穴には全く合わせられません!
なお、このペグはローズウッド製ですが、さすがに30年前(?)に買ったものなので劣化していて、削るとポロポロと書けてしまう部分もありました。
そこで、もっと太い軸でも加工ができるペグ削り機も注文!これは軸の太さを上のダイヤルで自由に変えられます。
削っているのは、ペグの穴埋め用の棒です。バイオリン用が売り切れだったのでチェロ用で太すぎですが、まあ、なんとか削れるサイズでした。
こんな感じに鉛筆削りのように削れます。まあ、鉛筆より硬い木なのでそれほど楽ではありませんが。鉛筆削りと違ってとてもお値段が高いのです。。
ペグの穴埋め棒で一度大きくなりすぎたG専用の穴を埋めて、開け直そうと考えたのでした。
こんな感じにタイトボンドで接着します。
ヘッドの割れ目を避けるために、穴は少し下側にずらして開けることにします。
リーマーでそこそこの大きさにします。この時点で、実はもっと穴を大きくしてから埋めれば良かったと思ったのですが・・・。新しい穴が埋めた木の中で収まる方が丈夫ですよねぇ。まあ、ここまで進めてしまったのでこのままいきます。
ペグは劣化していたので、新しいのを買いました。ペグ削り機があれば簡単に調整できますねぇ。高校時代に欲しかったです・・・。ちなみに、最初に買った金色の方ではなく、調整可能な黒い方だけで十分です。金色の方はペグの先の方しか削れず、黒い方で調整しながら全部削る方が簡単です。
適当な長さにカットして、ペグコンパウンドで回転具合を調整して完成!いやー、実にスムーズに調弦できるようになりました。
このバイオリンは自分で色を塗り替えていますが、さすがに当時の塗料は捨ててしまったので、同じ色で上塗りできないのが残念。
ついでに、割れかけていたエンドピンも交換しておきました。ここもペグと同じリーマーで穴加工ができました。
ここまで工具や部品を買うと、実は中国製バイオリンを新しく購入できた気もしますが・・・高校時代からの思い出の詰まったバイオリンですし、こうやって加工するノウハウもいつか役に立つこともあるでしょうから!?
息子に渡したら調弦しやすくなって喜んでいました。大事に使ってね〜。