さらに万年筆のメンテナンス
まだまだ続く万年筆のメンテナンス話・・・。
タイから荷物が届きました。かわいい封筒ですね。
タイから国際郵便の送料がたったの105バーツ!?安いですねぇ。
届いたものはこれです。モンブラン144のペン芯です。ebayで偶然見つけ、送料込みで1800円くらい。しかも、タイっぽく「Buy 1 Get 1 Free」つまり、1個買えば2個もらえるのです。
ペン芯が折れた背景などはこちらに書いています。
・万年筆の話題など:モンブランの破壊と復活・・・
・万年筆の話題の続き:モンブランの再分解など
これで安心して使える状態にできます!
まずは144の分解です。折れたペン芯はエポキシボンドでつけてあり、書いているぶんには問題ないのですが、やっぱり引っ張ると折れてしまいます。ピンバイスで後ろから穴を開け、叩き出します。毎回同じ所に穴を開けてエポキシボンドで埋めています。
折れたものと同じペン芯です。モンブランの144と言っても、実は時代によってペン芯はかなり変化しているので、どれでも使えるわけではないのです。本当に偶然見つけた感じです。タイというのが不思議ですが、このパーツはタイで作っていたのですかねぇ・・・?
ばらばらになった状態です。インクがカートリッジ・コンバーター両用式ですので、インクを抜かずに分解できるのは便利ですが、個人的にはカートリッジは使わないので、吸引式の方が好きです。
真似する人はいないと思いますが、このあたりに穴を開ければペン芯をたたき出せますし、後で穴を埋めればほとんど機能的には影響がありません。インクが流れるための穴からたたき出せると思うかも知れませんが、ここはダメです。私も最初はそこでやったのですが・・・。ペン芯側インクの通り道が傾斜していて、叩いても斜めにめり込んでいくだけなのです。
しかし、この仕組みはイマイチです。ペン芯を前から引っ張ってしか抜けないのは実に不便。ほかも皆こんなものかと思っていましたが、146,149は簡単にたたき出せるようになっているのを知ってビックリ。
エポキシボンドで穴を埋めておきます。もう使うことはないと思いますが、折れたペン芯も一応接着しておきます。
ペン芯は魚の骨みたいになっていて、いかにも折れやすい感じですね。
新しい作りなので(?)ペン芯の挿入角度は1カ所に決まりますし、ニブの位置合わせもズレにくくて、挿入するのは簡単です。
無事に治りました。いやー、元通りになるなんて信じられません。諦めないことが大事ですね!1997年(まだ30歳くらい)に新品で購入した、思い出のモンブランですからね。
さて、モンブラン146用に注文しておいたOリングも届きました。一応、フッ素ゴムとニトリルゴムで、同じサイズで買ってみました。フッ素ゴムの方が高いので個数は少な目で。比べてみるとフッ素ゴムの方が少し柔らかい感じです。
146を分解します。テルモのシリンジに使われているゴムシールを使っていましたが、全く漏れていません。
こんな感じに、真ん中にベルトの穴開け機で穴を開けただけです。
Oリングと並べてみました。ちょうど同じくらいのサイズです。テルモシリンジ2.5mlは196円で、Oリングは15円〜64円くらいですから、Oリングの方が安いのですが、Oリングは3枚重ねを推奨されていますので、それほど変わらないかも?シリンジ用の方が柔らかなので、ピストンの動きもスムーズになる気がしますが、実際に比べていないので良くわかりません。
小さいサイズのOリングをピストンのお尻側に1枚入れ、ペン先側はシリンジのゴムをそのまま使うことにしました。これで遊びが減るのでさらに安心です。
せっかくなので、144と146のニブを並べてみました。今日は149は分解していないので、2個だけで。結構大きさが違います。
ペン芯の太さもかなり違いますね。この写真では良くわからないかも知れませんが、インクが通る溝の太さもかなり違います。昔の方が太いので、ドバドバ流れます。昔のインクは粘度が高かったりして細いと流れなかったのでしょう。
左が144です。144の方がサイズが小さくて厚みが少し多い感じがするので、しなりにくいニブですね。
3本ともまともな状態になった気がします。146はペン先の状態が怪しいので、今度「萬年筆研究会【WAGNER】」に参加するときに調整士さんにチェックしていただこうと思ってます。