RSSリーダーが普及しないわけは？

　先日同僚のコンサルタントに「RSSリーダーってメールの替わりでしょ？企業のポータルなどでももっと使わると思ったのにどうして普及しないの？」というような質問を受けた。
　実際に私が企業情報ポータル構築プロジェクトに携わりコンテンツの検討をするときもRSSリーダーの採用をすることは現時点ではほとんどない。その理由は、企業内ではFeedsを吐き出してくれるコンテンツをストレージしている側のシステムがほとんどないことにある。確かにインターネットではBlogやニュースの新着情報をFeedsで配信してくれるサービスは増えてきている。しかし企業内で情報を格納している多くのグループウェアは現時点ではFeedsに未対応である。LotusNotes/DominoもサイボウズOfficeも掲示板の更新情報をFeedsで配信するような機能は未実装である。ポータル型グループウェアと銘打ったものも通知をFeedsとして配信してくれないし文書管理系のパッケージソフトもドキュメントの新着や更新情報をFeedsで吐き出してはくれない。
　だからコーポレート・インフォメーション・ポータルやパーソナル・ワークプレイス・ポータルでRSSリーダーを使って各種情報の更新情報を取得して一覧表示しようと思っても、実は現時点ではFeedsの収集がほとんど出来ないのである。この凄く単純な理由でRSSリーダーは企業内ではポジションを獲得できないでいる。最も先週「お気に入り」からサイトチェック9割以上、RSS リーダー派は0.6％」というような調査結果も出ていたのでインターネットの世界でもまだまだ普及は一部にとどまっているのかもしれない。

　ただFeedsを出力する機能自体は、そんなに大掛かりで難しい機能ではないと思うので、こういった国内での主流の製品が現時点で対応しないのは単純にユーザ側のニーズがないだけで、要望を出せば各社は次期システムで対応するかもしれない。実際にMicrosoftの次期SharePointServer2007はFeedsに全面対応するようであるし、IBMも今年のLotusphere2006内でNotes/DominoのFeeds対応とうたいドキュメント更新の通知やＱｕｉｃｋＰｌａｃｅ上での書込みの更新情報通知をプレゼンテーションしていた。これらはかなり真面目に取り上げていると感じたので、多分Notes/Dominoの次次バージョンあたりでは対応すると思われる。国内で大きなシェアを持つこれら大手２社が対応すれば他のベンダーも追随して機能追加をするかもしれない。
　そうなればRSSリーダの活用がもう一度見直される時期がくるだろう。