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Vista、フランケンビルドでも1時間はOK!

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Vista、フランケンビルドでも1時間はOK!

マイクロソフトの最新OS「Windows Vista」の海賊版に対する対策が12月12日に発表された。
海賊版は、OSの認証不要のリリースベータ版と認証必要なリリース版を、つぎはぎにして作成され、安価で南米で販売され始めている。各パーツをつぎはぎにしていることから、フランケンシュタイン博士の怪物になぞえて、「フランケンビルド」と呼ばれている。
つぎはぎにしていることにより、オンラインによる製造番号の重複チェックを回避している。

マイクロソフトは12日、それらのフランケンビルドに対する対策として、
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これら非公認版は検出されると正規のプロダクトキーでアクティベートするために30日の猶予期間を与えられ、その後制限機能モードに切り替わる。このモードになると、新しいユーザーインタフェースのAeroやReadyBoostなどが使えなくなり、同OSを利用できるのはデフォルトのWebブラウザで1 時間のみに制限される(訳注:Windows Genuine Advantageサイトのブログでは「海賊版と判断されると、AeroやReadyBoostなどの特定機能の使えない「制限機能モードに切り替わり、 30日の猶予期間中に正規のプロダクトキーでアクティベートし直すことを求められる。アクティベートされない場合、デフォルトのWebブラウザを1度に1 時間利用することしかできない制限機能モードに入る」となっている)。
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すでにこの機能をふくんだアップデート版をマイクロソフトは、企業向けにリリースしている。

マイクロソフトのようなソフト企業にとっては、違法コピーは多大な影響を受けやすい。当然、海賊版に対しては措置をとらざるをえない。今回、そんな海賊版とわかった場合でも「1日1時間だけは延命処置」を施すという施策は、マイクロソフトにとっては、大英断ともいえるほどの譲歩であった。
しかし、1日1時間以内という制限が中途半端な気がしてならない。
立ち上がらなくては困るけれども1時間しか使えないと、なんとか正式バージョンを購入しようと改心するだろうという思いからだろう。

マイクロソフトは、他社をよせつけない圧倒的で独占的な「排他的戦略」行為によって、現在の地位を築いたことは確かだ。しかし、これからはその戦略どおりにはいかない時代へと向かっているようだ。

マイクロソフトのVistaという最新OSは、現在必須OSではなく、単なる選択肢のひとつであるからだ。このOSが普及するにはWindows XPと同じく、出荷されるPCの完全インストールが一般に流通するのに最低3年かかり、Vistaでないと楽しめない、利用できない絶対的なサービスが登場しない限り、現在のXPで不自由を感じない人が多いからだ。

むしろこんな場合は、海賊版もOSの普及要因のひとつとして考えるべきであり、海賊版からのアップグレードも認めるくらいの大胆な販売戦略を考えるべきだろう。少なくとも、来年度初頭にPCを買い替えない人にとっては、必要でないOSに対して、聖徳太子札2枚でおつりがくるOSを入れたいとは思わないからだ。

ましてや、複数のPCを持っている人にとっては、正規版のOSを購入すると、アフリエイトとして半額キャッシュバックされるようなインセンティブも与える必要がありそうだ。そうすると、知人から知人へ50%オフで購入するということで、新たなWeb2.0時代の流通網が整備できるのである。

今まで同様の販売戦略であれば、MacOSやLinuxに対して多大なチャンスを与えている。むしろ問題なのは、Linuxがコストパフォーマンスが一番、高いにもかかわらず、一般の人がどのように活用すればいいのかを何も示唆していない点だ。いや、示唆していないと同様の現在の状況だ。

Mac OSも「ウィルスにかかりにくい(市場占有率が低いため)」などという、まちがった製品特性をイメージ戦略として打ち出している。当然、ウィルスが乱造された時には意味をなくしてしまう。むしろ、オープンソースがベースにあることによって、クローズドな開発環境で作られたOSよりも、トラブルやウィルスに対して検証し開発する人員が多いことをもっとアピールすべきだろう。

少なくとも、フランケンビルドで1時間は延命させようという旧態依然とした愚策を提供しているマイクロソフトに勝てないIT業界そのものの成長をそろそろ疑ってもいい時代なのかもしれない。

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