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高校卒業直後にアメリカの全寮制高校に飛びこみ、文化、言語、価値観、人間関係、そして勉強で七転八倒しつつ適応していった、5年間の留学生活から学んだレッスンを、具体的エピソードを交えて紹介。

外国人と上手にルームメイトになる方法

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5年間の留学生活の中では、様々な国と人種のルームメイトと共同生活をしてきました。

全寮制高校でのエチオピア人をはじめ、大学ではウガンダ人、ザンビア育ちのインド人、南アフリカ人らとも一つ屋根の下で寝食を共に過ごしてきました。(なぜかアフリカとは、切っても切れない縁があったようです)

大部屋の方がより寮の費用を押さえられることもあって、たいていは4人部屋に住んでいました。大学4年の時は、庭付き一軒家を丸ごと借りて、野郎7人でカオスな生活をしていたこともあります。



そんな経験をもとに、今日は「外国人(もっぱらアフリカン)と上手にルームメイトになる方法」を書いてみます。

最近は、ルームシェアという言葉も浸透してますし、コミュニティハウスで共同生活する人も増えていると見聞きします。そういうときのための参考(?)にでもなれば。



さて、国を問わず、アフリカ出身の留学生に共通しているのは以下の3点です。

↓ ↓ ↓

1 ダンス大好き
2 民族音楽、超大好き
2 民族衣装に誇りを持っている



■1 ダンス大好き

ノリが常に高く、やたらと踊ります。朝からリズムを刻みながらシャワーを浴びてます。ちょっといいことがあったり、うれしくなると所かまわず踊り出します。こっちも合わせないと、ノリが悪いなあ的な目で見られますが、付き合っていられませんでした。



■2 民族音楽、超大好き

彼らのプライドは、民族音楽に現れます。正直言って、彼らがステレオで流す民族音楽がまったく好みに合わず、閉口したのを覚えています。

当然、留学生は一様にアメリカナイズがされているので、いわゆる洋楽(当時でいえば、マイケルジャクソンとかマドンナ)も聴くのですが、ことあるごとに大音量の民族音楽で踊り狂うルームメイトにキレたことは何度かありました。一般的にいって、日本人が演歌や民謡にさほど誇りは持ってないような気がするので、私にとっては奇異に映りました。



■3 民族衣装に誇りを持っている

目の粗い麻(?)で編んだような民族衣装を、たいてい皆持っています。たぶん、故郷から持ってきたのだと思われます。私もエチオピアのルームメイトに1着もらったので、コミュニティに馴染むようにと着るように努めていました。カラッとした着こごちで風通しがよく、けっこう気持ちがよかったです。エチオピアに限らず、アフリカのどの国の留学生も母国に対する誇りやプライドは人一倍強いです。軽い気持ちで彼らの祖国や文化を馬鹿にすると、マジキレされることもあります。




さて、これらの経験から、コツを一言でまとめると、こうなります。


「うまく共同生活を送る最大のカギは、"音"のコントロールである」


意外かもしれませんが、空間は実はあまり問題になりません。自分のデスクとベッドがあれば、まあいいやとなります。打ち解ければ、丸裸で部屋をウロウロしても気になりませんし、極端な話、トイレのドアを開けたまま大きいほうをしていても気にならなくなります。というか、しながらしゃべるのが当たり前になります。

しかし、音はわりかしデリケートなもので、「眠りたい者と踊りたい者」、「勉強に集中したい者と音楽を楽しみたい者」と、シチュエーションで互いの要求が大きく変わってくるのです。「ヘッドホンで我慢しよう」とか、「図書室に場所を代えるか」と歩み寄りあう必要があります。

お互いの音への要求、その時々で感じる快・不快レベルを敏感に察知し、心配りができれば、誰とでも上手に暮らしていけます。




ちなみに音楽つながりの余談ですが、日本からカセットで持参した邦楽の歌詞の発音※が、「ヘタすぎて、アホみたい」と、ネイティブや英語が流暢な留学生にものすごく笑われました。
※サビの部分に英語で「loving you~~~♪」とか「forever and ever~~♪」とか入ってくる、アレのことです。


日本人ポップシンガーはそれなりに一生懸命歌っていたのでしょうが、ネイティブにとっては爆笑と嘲笑のネタでしかなかったようです。


つづく



代表 中山順司
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