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高校卒業直後にアメリカの全寮制高校に飛びこみ、文化、言語、価値観、人間関係、そして勉強で七転八倒しつつ適応していった、5年間の留学生活から学んだレッスンを、具体的エピソードを交えて紹介。

日本人同士が集まると英語が上達しない本当の理由

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私は英語を上達させたい一心で、日本人のいない環境をわざと選びました。「異国で日本人同士が集まると、甘えが出て英語を使わなくなる」というアドバイスを、留学情報誌でさんざん目にしていたのがその理由です。

常識的に考えて、母国語をシャットアウトすれば必然的に上達するのは、まあ当然です。実際私も経験してみて、そうだと思います。

でも、今振り返ってみて、「日本人同士だと甘える」という"甘え"の部分に違和感があります。英語を使わなくさせているのは、本当に甘えなのだろうか?もしかして、甘えとは違った別の何かなのではと感じていました。


ということで、今回はいつもの留学生活の描写をひと休みして、このことについて書いてみようと思います。私の独断と偏見が混じった個人的な解釈ですので、あらかじめご容赦ください。



さて、「日本人同士が集まると、なぜ英語を使わなくなるのか」を改めて考えた結果、1つの答えにたどりつきました。


それはズバリ、「甘えではなく、カッコをつけたい下心」、つまり人前でええかっこをしたい邪心が原因なのです。


日本人は、他の日本人の英語の力量を必要以上に気にします。たとえば、



・こいつは、俺よりTOEFLのスコアが高いんだろうか?

・あいつの発音の方が、ネイティブっぽく聞こえるのではないか?

・そいつは俺の知らない気の利いた慣用句とかおしゃれな言い回しを使えるんだろうか?



このように、一緒にいる日本人より、カッコよくスマートに英語を扱う様を演じたい下心が、口数を少なくさせているのです。人は誰しも他人と比較することで自分の価値を測ろうとするものだと思うのですが、日本人はとくにその傾向が強いような気がします。テストやお受験に慣れた日本人の悪い癖が影響してのことかもしれません。

相手の(英語の)力量を見極めるまでは、自分の能力を悟られるのはまずいと感じ、結果的にけん制し合って互いの口数が減る・・・というメカニズムですかね。留学経験がまだ浅い人に起こりやすいパターンだと思います。異論はあるでしょうが、留学経験者に限定したら、97%くらいの同意を得る自信があります(笑)。


幸いにして、私は校内で唯一の日本人であったため、他の日本人の目を気にすることなく、存分にへたくそな英語を使うことができました。





ちなみにこの傾向は、日本人特有だと思います。

他国の留学生は、英語力というものを「手段やプロセスはともかく、また正確性を多少欠くこともいとわず、とにかく自分の意図を伝える力」と定義しているっぽいので、かっこうは大して気にしません。(私が見てもひどい英語力のペルー人がいましたが、カタコトだけでガンガン女の子に声を掛けまくってたりしましたし)

それに対し日本人は、英語力を「いかに正確な文法、単語、専門的な表現、あるいはシャレた慣用句をTPOにあわせて使いこなし、かつネイティブっぽい発音で話せる力」と定義しているからだと思います。



先日、NHKのスポーツ大陸で、サッカー日本代表の本田圭佑選手が取り上げられていました。番組内で、以前所属していたオランダのクラブチームの練習風景が流れたのですが、本田選手はチームメイトに対しカタコトの英語でガンガンに要求していました。


「オレガ、ボールヲ受ケル前ニ、オ前ハ右サイドヲ上ガレ。サッキノ動キデハ、遅スギダ」

「コノ前ノ、****戦デモ、オナジ状況ガアッタダロウ。同ジミスヲ、繰リ返エスナ」


たしか、こんなことを言っていました。発音はお世辞にも美しくありませんでしたが、自分の意図をしっかり、はっきり伝えているという点で、彼の英語はパーフェクトでした。

英語が上達できるかどうかは、他の日本人の目を気にせず、カッコをつけないでいられるかどうかにかかっています。




・・・なーんてエラそうなことを言ってみました。

つづく



代表 中山順司
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