【AIの現在地】AI進化の歴史 〜 「識別型」から「生成型」、あるいは「自律型」へ 後編
前編では、「識別型」から「生成型」への歴史を解説しました。後編では、これらの先にある、「自律型」について解説します。
目的から手段を自律生成する「自律型AI(Agentic AI)」への飛躍
そして現在、テクノロジーの最前線は、生成AIの「その先」に位置する第三の波へと突入しています。それが「自律型AI(Agentic AI)」です。
現在の生成AIは、どれほど優れた企画書やプログラムを記述できたとしても、基本的には「人間がプロンプトを入力して初めて動き出し、結果を出力して終了する」という受動的なアシスタントに留まっています。しかし、企業が真に求めている価値は、画像や文章の自動生成ではなく、業務プロセスの「実質的な完遂」です。
自律型AIは、人間が細かな処理手順を1行ずつ指定するのではなく、「来週の出張を手配し、経費申請までを無事に終わらせてほしい」という「ゴール」のみを提示すれば、AIエージェント自身がそれを自律的に解釈し、達成に必要なステップを自ら細分化してワークフローを組み立てます。
デジタルワークスペースとしてのエージェントシステムの実装イメージ
さらに自律型AIの特筆すべき点は、計画を立てるだけでなく、AI自身がWebブラウザを開いて情報を検索し、カレンダーアプリの日程を確認し、航空会社のWebサイトにアクセスしてチケットを直接予約し、最終的に経費システムに予定を自動登録するというように、外部のソフトウェアやAPIを「直接操作して実行する」能力を持つ点にあります。
このように、単に回答を返す「生成器」から、自らシステムを操作して業務を自動完遂する「デジタルワーカー」へと進化するプロセスこそが、自律型AIの真骨頂です。
この自律型の進化ロードマップの先には、前述のAGIというゴールが明確に据えられています。OpenAIやGoogleなどの企業は、この自律的な知的エージェントが、人間の知的活動のほぼすべてを代替・拡張する未来を想定し、そのための物理的インフラや世界モデルの統合を推進しています。
【募集開始】ITソリューション塾・第53期
10月7日(水)開講
AI時代を生き抜くための最新ITトレンドとビジネスの常識を手に入れる
「AIをどう使えばいいのか?」
いまなお、この問いに留まっているとすれば、AIの本質は、まだ見えていないのかもしれません。
18世紀後半の産業革命、20世紀半ばのIT革命。これらは、新しい技術が暮らしを便利にし、生産性を高めただけではありません。社会の仕組みや制度、働き方や雇用のかたち、ビジネスの常識、そして人々の生き方にまで及び、世の中を根底から変えてしまいました。
私たちはいま、AI革命の只中にいます。AIを数ある道具のひとつとして扱い、「どう使うか」を考えている限り、その真価を引き出すことはできないでしょう。問いは、すでに変わっています。
「AIで、ビジネスは、社会は、どう変わるのか?」
この問いに答えを持たないまま、システムを提案し、要件を定め、投資を判断する。それは、地図を持たずに航海に出るようなものです。
ITソリューション塾は、2008年の開講以来、約5000人の卒業生を送り出し、今年で18年目を迎えます。ユーザー企業の情報システム部門やDX推進の担当者、IT企業の営業やエンジニア、経営に携わる方々。立場は違っても、「ITの現在地を体系的に掴みたい」という思いは同じです。
この塾では、技術の名前を並べて覚えるのではなく、その背後にある仕組みと潮流を読み解きます。AIやクラウド、アジャイルやDevOpsといった個々のテーマが、なぜいま重要なのか、互いにどうつながっているのか。そのつながりが見えたとき、ニュースの見え方も、お客様との会話も、明日の判断も変わります。講師は、第一線の現場で今まさに実践している人たちです。教科書にはない、生きた知見をお伝えします。
そして、最後にもうひとつの問いを、皆さんとともに考えたいと思います。
「AIで、自分をどう変えるのか?」
技術の変化を眺める側にいるのか、変化を起こす側に立つのか。10週間後、その答えを自分の言葉で語れるようになっていただくこと。それが、この塾の目指すところです。
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日程 初回 2026年10月7日(水)〜最終回 12月16日(水) 毎週18:30〜20:30
※11月10日(火)のみ火曜開催
回数 全10回+特別補講
定員 120名
会場 オンライン
料金 ¥90,000-(税込 ¥99,000)
全期間の参加費と資料・教材を含む
※詳細はこちらをご覧ください。
『AI実践ドリル30日チャレンジ 仕事にすぐ効くAI活用』(日経BP)を紹介する連載が、日経クロステック(xTECH)に掲載されました。
第1回 ビジネスパーソンが生成AIの有償版を使うべきである理由
第2回 「事業変革推進室長」として生成AIで新規事業を企画する
第3回 AIの「魔法」をメール作成と悩みの「壁打ち」で体感
第4回 新規事業の「3段階の自立シナリオ」をAIで描く
第5回 AIにいきなり「斬新なアイデア」を求めるのは避けよ
本書は、これまでのAI本とは毛色が異なり、新規事業開発やマーケティングの実践ノウハウを、AIを使いながら体験的に学べる「ドリル」です。
AIの使い方を解説するのではなく、実際のビジネスの現場でどう使いこなし、新しい価値を生み出せばいいのかを、手を動かしながら身につけていただけます。
「AIをどう使うか」に留まっている限り、AIの真価は引き出せません。「AIでどう変わるか」、すなわちAIを前提として、仕事のやり方をどう変えればいいのか。それをお伝えしたくて書いた本です。まだの方は、ぜひご一読ください。
どうぞよろしくお願いいたします。

