【AIの現在地】「身体性を持ったAGI」へのロードマップ
現在の生成AIの急速な進化を目の当たりにすると、「AIは最終的にどこまで発展するのか」という疑問が浮かびます。その到達点として議論されるのが「AGI」です。しかし、AGIへの道程は、現在の延長線上で単にテキスト処理の精度が上がるだけで到達できるものではありません。次世代のAIをビジネスの構造にどう組み込むかというアーキテクチャ思考を養うためには、今後の進化のロードマップを構成する「3つの要素」をスッキリと見渡す力、すなわち全体を俯瞰する視点を持つことが重要です。
第一の要素は「情報AI(論理)」です。大規模言語モデル(LLM)などを中心とした技術領域です。膨大なテキストやデータから言語の規則性や論理構造を学習し、文章の生成や翻訳、プログラミングコードの記述など、サイバー空間における情報の処理と論理的な推論を担います。ビジネスにおいては、一般職や専門職の知的作業を代替・支援する強力な基盤となります。
第二の要素は「世界モデル(予測)」です。現在の情報AIは言葉を巧みに操りますが、現実の物理法則や空間の概念を人間のように直感的に理解しているわけではありません。世界モデルとは、重力や物体の衝突、時間経過に伴う変化など、現実世界の因果関係のシミュレーションをAIの内部に構築する技術です。これにより、AIは「このグラスを机の端から押したらどうなるか」といった予測や常識的な判断が可能となり、より人間に近い状況認識能力を獲得します。
第三の要素が「フィジカルAI(身体性)」です。これは、サイバー空間のソフトウェアに留まることなく、ロボットや自動運転車といったハードウェアの「身体」を持ち、物理世界に直接働きかける段階を指します。工場の組み立てラインや物流施設のピッキング、さらには接客や農業など、現実空間の複雑で非定型な環境下において、AIが自律的に状況を判断し、物理的な行動を起こす能力です。
これらから次のような公式が導かれます。
情報AI(論理)+世界モデル(予測)+フィジカルAI(身体性)=身体性を持ったAGI
「情報AIの論理構築力」「世界モデルの環境予測能力」「フィジカルAIの身体的な実行能力」。これら3つの技術要素が将来のサプライチェーンや顧客接点にどのような変革をもたらすかを見据え、中長期的な戦略を描くことが不可欠です。
【募集開始】ITソリューション塾・第53期
10月7日(水)開講
AI時代を生き抜くための最新ITトレンドとビジネスの常識を手に入れる
「AIをどう使えばいいのか?」
いまなお、この問いに留まっているとすれば、AIの本質は、まだ見えていないのかもしれません。
18世紀後半の産業革命、20世紀半ばのIT革命。これらは、新しい技術が暮らしを便利にし、生産性を高めただけではありません。社会の仕組みや制度、働き方や雇用のかたち、ビジネスの常識、そして人々の生き方にまで及び、世の中を根底から変えてしまいました。
私たちはいま、AI革命の只中にいます。AIを数ある道具のひとつとして扱い、「どう使うか」を考えている限り、その真価を引き出すことはできないでしょう。問いは、すでに変わっています。
「AIで、ビジネスは、社会は、どう変わるのか?」
この問いに答えを持たないまま、システムを提案し、要件を定め、投資を判断する。それは、地図を持たずに航海に出るようなものです。
ITソリューション塾は、2008年の開講以来、約5000人の卒業生を送り出し、今年で18年目を迎えます。ユーザー企業の情報システム部門やDX推進の担当者、IT企業の営業やエンジニア、経営に携わる方々。立場は違っても、「ITの現在地を体系的に掴みたい」という思いは同じです。
この塾では、技術の名前を並べて覚えるのではなく、その背後にある仕組みと潮流を読み解きます。AIやクラウド、アジャイルやDevOpsといった個々のテーマが、なぜいま重要なのか、互いにどうつながっているのか。そのつながりが見えたとき、ニュースの見え方も、お客様との会話も、明日の判断も変わります。講師は、第一線の現場で今まさに実践している人たちです。教科書にはない、生きた知見をお伝えします。
そして、最後にもうひとつの問いを、皆さんとともに考えたいと思います。
「AIで、自分をどう変えるのか?」
技術の変化を眺める側にいるのか、変化を起こす側に立つのか。10週間後、その答えを自分の言葉で語れるようになっていただくこと。それが、この塾の目指すところです。
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日程 初回 2026年10月7日(水)〜最終回 12月16日(水) 毎週18:30〜20:30
※11月10日(火)のみ火曜開催
回数 全10回+特別補講
定員 120名
会場 オンライン
料金 ¥90,000-(税込 ¥99,000)
全期間の参加費と資料・教材を含む
※詳細はこちらをご覧ください。
『AI実践ドリル30日チャレンジ 仕事にすぐ効くAI活用』(日経BP)を紹介する連載が、日経クロステック(xTECH)に掲載されました。
第1回 ビジネスパーソンが生成AIの有償版を使うべきである理由
第2回 「事業変革推進室長」として生成AIで新規事業を企画する
第3回 AIの「魔法」をメール作成と悩みの「壁打ち」で体感
第4回 新規事業の「3段階の自立シナリオ」をAIで描く
第5回 AIにいきなり「斬新なアイデア」を求めるのは避けよ
本書は、これまでのAI本とは毛色が異なり、新規事業開発やマーケティングの実践ノウハウを、AIを使いながら体験的に学べる「ドリル」です。
AIの使い方を解説するのではなく、実際のビジネスの現場でどう使いこなし、新しい価値を生み出せばいいのかを、手を動かしながら身につけていただけます。
「AIをどう使うか」に留まっている限り、AIの真価は引き出せません。「AIでどう変わるか」、すなわちAIを前提として、仕事のやり方をどう変えればいいのか。それをお伝えしたくて書いた本です。まだの方は、ぜひご一読ください。
どうぞよろしくお願いいたします。

