経営者がテクノロジーに対してもっと関心を持つべきだ!
「クラウドについては、いろいろと取り組み始めています。」
中小・中堅のSIerさんのなかには、いまだにこういう話をされる方が少なくない。周回遅れも甚だしいと思うことがある。
AWSとGoogle Cloud Platformなど、激しい価格競争を展開している。また、サーバーを販売してきたIBMが、x86サーバーをレノボに売却し、SoftLayerに積極的な投資をおこなうことを表明している。HP のHelion、Microsoft のWindows Azure Platform、Ciscoのintercloud、EMC/VMwareのvCloud Hybrid ServiceやOracleのパブリッククラウドなど、オンプレミスをビジネスの中核と据えてきた企業でさえ、クラウド・ビジネスを加速している。また、NTTコミュニケーションズやIIJなど、国内プロバイダーのクラウドもサービスの充実とコストパフォーマンスの改善を積極的に進めている。
また、OpenStackやCloud Foundry、Dockerのように、特定のクラウドに限定されない技術の普及も進みつつある。
さらにSAPやOracleがMicrosoftと提携しAzure上で動かせるようになることなど、これまでオンプレミスでは競合関係にあった企業さえも、クラウドというビジネスにおいては、連携を模索する動きも出てきている。
ITビジネスの世界は、クラウドを軸にして様々な動きが起こっている。どれが正解かは分からないが、「クラウドを前提とした」ビジネスが、大きな動きとなり、今後もこの流れが変わることはないだろう。
しかし、中小・中堅のSIerの方に伺えば、「うちは規模もスキルもないし、経験もないので・・・」とコメントされる方も少なくない。しかし、スキルも経験もないのは、どこでも同じことであり、むしろそういう自己規定をして、チャレンジのきっかけを自ら放棄しているのではないかと思うこともある。そんなことをいっている余裕などない。
むしろ、クラウドは、中小・中堅のSIerにとっては、大きなチャンスだ。新しいことをやるにも先行投資負担や構築、運用の負荷は大幅に軽減される。OSSと組み合わせれば、ライセンス費用も不要になるためいろいろと試してみることが容易だ。かつてのように、潤沢な資金と人材がいなければ、新しいコトができない時代ではない。
こういう世の中の動きにもっと関心を払ってみてはどうだろう。派遣法の改正に頭を悩ますのではなく、テクノロジーに対して関心を持ち、それをビジネスの本流に載せていくことを考え、派遣法の改正など気にしなくて良い収益構造を作り上げてゆくことに関心を払うべきではないか。
「労働力としての人材」ではなく、「知識力としての人材」を育てる必要がある。クラウドはもはやデフォルトと考えるべきだ。それを収益に結びつけるためには、テクノロジーを武器にしなければならない。それができる人材こそ必要になる。昨日のプログでもそのあたりは書いた。
経営者がテクノロジーに対してもっと関心を持つべきだ。技術的なことは部下にやらせていると平気で言い切っているようでは、「知識力としての人材」は育たないだろう。テクノロジーの今とこれからにしっかりと向き合い、その道を示すことが経営者の役割だと思う。特に、テクノロジーの進化というか、常識の転換が急速に進む今、これは経営方針を大きく変える。それは、経営者の責任で向き合わなければならない。
周回遅れでもスポーツであれば拍手をされ、多少の救いはあるが、ビジネスではそうはいかないだろう。
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