フルサイズミラーレスα7購入顛末記(後編)思わぬ出会いは天国からのプレゼント?
モバイルを愛していますか?モバイル情報ブロガーの伊藤浩一です。モバイルネタではなく、カメラネタが続きます。前回、ソニーのフルサイズミラーレス一眼α7を購入したところまで、紹介しました。
α7のフルサイズEマウントは、他のメーカーにはないメリットがあります。それは、マウントアダプターにて、各メーカーのレンズが使える点です。しかも、従来のNEXシリーズとは違い、フルサイズでレンズが活用できる点です。
ただ、カメラ歴の浅い私にとっては、αマウントレンズ以外の他メーカーのレンズを使う機会や、オールドレンズを使う発想はありませんでした。そんな私に大きな出会いがありました。
今年の正月のことです。ふと思い立って、20年前に他界した父の遺品を整理しました。すると、古いフィルムカメラとレンズが出てきたのです。思い出せば、私が小学生の頃、父は自宅に暗室を作り、自分で現像するほど、カメラ好きでした。しかし、私がカメラに興味を持ったのは、父が他界してからだったため、父とは、カメラの会話をしたこともありませんでした。
父が残したカメラは、ニコンのEMでした。1980年発売のリトルニコン。そして、ニコンマウントのレンズとして、KIYOHARA SOFT 50mm F4.5、Ai Micro-Nikkor 55mm f/2.8S、Ai Nikkor 28mm F3.5S、GN Auto NIKKOR.C 45mm F2.8の4本、2Xのテレコンもありました。30年以上前のレンズですが、状態は、そこそこ良く、すこしカビがある程度で、使えそうな雰囲気でした。
多分、このカメラが残ったのは、このリトルニコンの発売年に、父が病気で倒れたからだと思われます。闘病生活で、カメラを使う余裕もなくなり、カメラを買い替えずに、このカメラが最後に残ったのでしょう。
カメラに関して会話をしたことのなかった父のレンズ。これをα7で使うことで、父の覗いていた風景を追体験できるのではないか、そんな想いがありました。そこで、ニコン用のマウントアダプターを購入して、それぞれのレンズをα7で使い始めました。
4本のレンズの中でも特に気に入ったレンズがあります。Ai Nikkor 28mm F3.5Sで、家族のスナップを撮影すると、非常に綺麗に撮れます。きっと、父もこのレンズで家族を撮影していたことでしょう。父のレンズで、娘の写真を撮ることで、生前に会えなかった孫の姿を、父に見せているような不思議な感覚になりました。
α7を使っていなかったら、ニコンのレンズを使う、という発想は生まれなかったでしょう。α7を使っているときに、偶然行った父の遺品整理。30年以上前のレンズを使い、父の想いに触れた不思議な感覚。
α7は、予想しなかった出会いを私に与えてくれました。天国からのプレゼント、そんな感覚で、古いニコンのレンズを毎日愛用しています。