想像力の準備運動
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連想に関する友人のツイートをみていて、ふと、思い出したので紹介します。紙とペンだけあれば歯ごたえのあるトレーニングができる面白い方法です。イメージは、想像力の百マス計算的。
A・F・オズボーンはブレインストーミングを作った人物ですが、広告代理店BBDOの副社長でもあり、かつ、彼が残した文献には、彼が想像力について非常に多くの示唆を行っていたことがわかります。
その彼のいたBBDO。
そこでは面白い想像力の準備運動があるんだ、と、ある研究仲間との雑談時に教えてもらった方法があります。雑談で聞いたので、うろ覚えであり、想像力の観点から補いながら書きますがご了承ください。
やり方はこうです。
1)無関係な単語を、一列に列挙していく。
やかん、観葉植物、ブルーレイ、ガソリン、・・・
2)隣り合う単語の共通点を探す
やかん、と、観葉植物、から下に向かって、矢印を書いて、「古くからあるもの」と書きますブルーレイ、と、ガソリン、から、同じく矢印を引っ張って「化石資源由来のもの」と書きます。
3)共通点同士の共通点を探します
「古くからあるもの」と「化石資源由来のもの」から下に矢印を引っ張って、「ずっと昔」等と書きます。
※今回は、最初の単語を4つしか書きませんでしたが、8つ書けば、階層は1段深くなります、16個ならばさらに一段深くなります。最後に一つになるまでやる、とその研究仲間である友人は言っていました。
上の例は、結構簡単にまとめらてしまいましたが、結構難しい時は本当に難しくて、最後までまとめるには、かなりの知恵を使います。(苦肉の策もやむなし)。
逆に初めにあげる単語、その「無関係な物をあげる」ことの精度があまければ、けっこう、さっさとまとめられてしまいます。
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蛇足的なメモ(まとまらない、周辺的な話し)
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これは、ある種矛盾するような作業です。無関係な物を列挙させる。その挙句、共通点を探させる。これは、想像力の特性とも関係しています。連想の4法則、とオズボーンがよんだ概念があります。「近接」「類似」「対称」「原因結果」この4つの観点で探せば連想はさっさと広がります。「やかん」ならば、近接は「コンロ」「蛇口」「コーヒードリッパー」であり、類似は「ジョウロ」「急須」「水風船」、対称は「冷蔵庫」「乾燥剤」「メッシュ」、原因結果は「金属板」「資源回収」など。
この4方向に対して、「やかん」と「観葉植物」を拡げれば、どこかにつながる気配を感じるでしょう。やかん→(類似)→ジョウロ←(近接)←観葉植物、など。
どんな2つも、連想を繰り返していけば、パスがあります。その連想空間上の距離の遠い物、近い物、というのはありますが。
新しいアイデアの多くは、普段つながらない概念同志を結び付けて、馴染ませた形のものです(ただし、TRIZ分野などには興味深い例外もあります。)オズボーンはその文献の中で、連想力が想像力のコアであり、想像力が創造力のコアである的な概念を展開しています。
オズボーンのいた会社で、いわば「想像力の準備運動」が存在していたことは、非常に興味深いと思います。
ちなみに、日本人でブレストへの実践知として実に示唆深い(それでいて軽妙なタッチで説明されいる)くらたまなぶさんの本があります。その中に出てくる「しりとらず」は、上記とはまた違った、しかし、どこか本質に共通を感じる素敵な方法です。
自社独自の、想像力の準備運動を作る。
そんなことを多くの企業始めたら、もっと企画会議は楽しくなるだろう、と私は思うのです。(もちろん、判断力や、ロジカルシンキングも、とても大事です。創造と批判、どちらも大事。どちらも要る)
追記:連想の4法則
(私の個人のブログですが、以前少しまとめたものです)
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