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2013年のクラウド予測:第三弾:2013年を迎えるにあたり、クラウドに対する4つの新しい心がけ

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記事=www.infoworld.com

投稿者=David Linthicum, CTO and founder of Blue Mountain Labs

投稿日=1/3/2013

クラウド業界に身を投じている人間として、今まで学んだレッスンを元に2013年のクラウド業界をどのように生きぬくべきか、4つの提案を推奨したい。

1. 「クラウド洗脳」をやめる

2012年は、引き続き何でもクラウドの一年であった。IT業界の殆すべての製品/サービスはクラウドと何らかの関係を持っていたし、物によっては頭をかしげたくなる様なケースも数多くあった。本来なら、クラウドはある特定の目的(オンデマンド、ユーザ主導、拡張性、従量課金、等)を達成する技術であるべきで、市場も今では理解しつつある、と言える。相も変わらず何でも「クラウド」に絡ませる手法は、むしろベンダーの品位が問われる要因にもなり、むしろ市場の混乱を起こす懸念として位置づけられる、と見るべきである。

2. 何でもクラウドコンピューティングで解決しようとしない事

ITプロフェッショナルの多くは、未だにクラウドコンピューティングをエンタプライズに無理矢理突っ込もうとしている傾向がある。クラウドコンピューティングはアプリケションの条件によっては、かえって混乱や複雑な要件を起こす可能性がある。常に、クラウドに移行する事によるビジネス面での価値を顧客と十分に議論の上、進める必要がある。

3. クラウド化しても、性能/運用/サービス品質の管理は怠らない

クラウドコンピューティングを導入した際につい忘れてしまいがちなのは、実際にクラウドの運用を行わなければいけない、という事である。性能や運用の管理は、常にクラウド上にあるシステムを監視し、問題の未然防止や対策のためにも常に行う必要がある。特に、サービス品質についてはSOA管理の事を指しており、クラウド上では、各クラウドコンポーネントの提供するAPIを管理する事に相当する。

4. クラウドプラットホームを提供する技術を十分理解してから、クラウドのセキュリティを評価する。

エンタプライズ業界では、クラウド上への移行を嫌う最大の要因として、セキュリティが無い事があげられている。本質的には、企業のデータをどこに置こうが、そのプラットホーム上でどのように管理するかによって決まる訳で、そこに着目すべきである。クラウドは通常、必要なセキュリティ上の要件を対策すれば、On Premiseのプラットホーム以上のセキュリティを確保する事も可能である。クラウドに限らず、ターゲットプラットホームを十分知らずして、そのセキュリティの是非を語るのは誤ったアプローチである。

 

以上、クラウドというものは、従来のITプラットホームと何ら変わる物ではない、という事が浸透していくものと思われるが、今までのクラウドが持っていた、「目新しい技術」と言う見方ではなく、従来のITインフラと同じフェアな観点で評価を行う必要があると思われる。

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