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商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

海外旅行・出張危険回避講座 (一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) その24 スリに注意

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海外旅行・出張危険回避講座
(一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) その24 スリに注意
 長い20年間の海外生活の期間に、スリに財布を盗まれたことは、一度もない。しかし、狙われたことや、ポケットに手を入れてきたことは2回ある。

 一度はナイジェリアのラゴスの雑踏で、私のポケットに手を突っ込んできたのが分かったので、私はその手を握り、上に持ち上げて、「何をするんだ」と日本語で叫んだら、まわりにいた連中がそのスリを捕まえようと飛びかかってきた。その行動の早さは日本では考えられない。スリ男はあわてて逃げ始め、周りの何人かが大声をあげながら追いかけ始めた。
 ナイジェリアでは、スリや万引きが捕まると、リンチで半殺しの目に遭ったり、時に殺されてしまうこともある。だからスリも必死に逃げる。

 もう一度はミラノだった。スリはポケットに手を入れたのだが、財布を引き出せなかった。私の財布は、伝統的に大きく太いのだった。昔から財布に名刺をたくさん入れているし、今はカードが多くなった。だからポケットから財布を引き出すのは、私自身ですらちょっとしたコツが必要で、とても他人ができるものではない。


 40年前から、財布はズボンの左右ポケットに入れてきた。アフリカの諸国、イタリア、フランス。中国、韓国などのスリの多い国々を訪問してきたが、無事だったのは、財布をいつももっとも安全な定位置に入れていたからだ。
 財布をズボンの後ろポケットに入れることは、スリに狙われる第一条件である。ましてや、財布の頭がズボンのポケットから出ているのは、「早く持って行ってください」と頼んでいるのと同じだ。スリは軽くぶつかると同時に見事に何の衝撃もなしに、財布を抜き取ることができる。これはもう日本でも危ない。

 背広の胸ポケットも、電車の中の満員雑踏だけでなく、反対側から歩いてきて、すれ違うだけで抜き取られる可能性がある。パスポートなどを入れた大型財布は、外からでも丸見えになる。

 グループで海外の調査団に加わったとき、私は参加者全員に大型の安全ピンを1個ずつ配った。胸の財布やパスポートを入れたポケットの上から、そのピンで留めてしまうのだ。そうすれば、スリは手を入れることは不可能になる。

 スリのバリエーションは、エスカレーターで一人がつまづき、後ろからの一人が倒れ掛かって掏るという手口もある。
 

ポイント 
(1)ズボンの後ろポケットに入れることは、もう最悪の習慣だ。それで海外を歩けば、スリが10人後をつけてくる。スリのコンテストが始まる。
(2)上着の内ポケットのボタンだけでは不十分で、ピンで上から留める。ただし、この大型ピンは、機内に持ち込めないかもしれない。
(3)海外に出ると、ショッピング用の財布を別に作って、所持するのは、必要現金とクレジットカード1枚だけにしておくこと。


アイデアマラソン一口メモ
 アイデアマラソンは、効果を出すのに3カ月間、自分の好きなこと、思いついたことを毎日書けば、創造性の能力がついてくるとしている。もちろん、選んで仕事について書いても構わない。とにかく毎日、書き続けることだ。

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