スパムメールフィルターの誤診
エイケア・システムズ(株)が発表したスパムメールフィルターによる誤診レポートを
見る機会を得た。数年前に米国で問題になったスパムメールフィルター誤診と同じよ
うな状況に見える。
スパムメールフィルターチェック対象は、Yahoo!メール、Hotmail、ニフティ-、ビッ
クローブ、So-net、Norton Anti Spamソフト、Thunderbird 1.5ソフトを含む12種類。
誤診チェックに使用したメルマガ 130種類(楽天 49種類、ぴあ 10地区分、首相
官邸メルマガ、まぐまぐ各種、Melma各種)でサンプル受信数は、のべ約3000通。
この調査で明確なのは、スパムメールフィルターの精度がまだ不十分であると言うこ
とだ。同じスパムフィルターソフトを使用しているISPでも違った誤診結果が出てい
る。各ISPのディフォルトスパム設定で誤判定が、1%~50%程度の幅で違いが出てい
る。
メルマガも必ず誤判定されやすいものとされないものがある。特定のISPのみで誤判
定されるメルマガもある。
代表的なスパムフィルターソフト"SpamAssasin"の標準的な判定設定でチェックした
場合、95%以上の誤判定が発生している。当然、企業は、企業なりにスパムメールフィ
ルターの設定をカスタム化するのでこの数字がそのままというわけではない。
スパムメールフィルターの誤判定も2段階有り、一つは、メールサーバーに導入して
いるフィルターソフトでの誤判定、もう一つは、個人のパソコンやメールソフトに導
入しているフィルターソフトでの誤判定である。読者の受信箱に届くメールは、この
2つの関所でチェックを受け、運悪く誤判定を受けると読者の目に触れる機会を失う。
今後、日本でもスパムメールフィルターソフトやサービスで競争が激しくなるだろう。
これは、これで自然の流れであるので良いのだがメールで情報を発信している側になっ
てみると誤判定されないようにするにはどうしたら良いかを考えなければならない。
では、どうしたら良いのだろうか。
まず、やるべき事は以下の二つではないだろうか。
1.受信者にこのメール、メルマガはスパムメールではないと言う印象を与える
メール配信方法、有益なコンテンツ、簡単に解除できる機能などを見直すこと。
2.現在、配信されているメール情報、メルマガがどれだけ不到達になっているかを
調べること。いわゆる、現状分析をおこないその対策案を検討することである。
今後、メルマガの先にあるEメールマーケティングが企業で導入されるにつれてメー
ル情報の不到達問題が目の上のたんこぶになる可能性がある。