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デジタルコンテンツ流通の潮流を見据えて

記事蔵を見ながらこう考えた。課金すれば角が立つ。無料にすると流される。意地を通せば窮屈だ。とかくにデジタルは住みにくい

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Img_1144今月から始まっているイースト社のニュース配信サービス記事蔵がおもしろい。共同通信社のニュースをiPhoneアプリとして販売している。これまで新聞社系でもポータル系でも専門的なものは除いて一般ニュースを課金して配信するというモデルはiPhoneには無かったと思う。「記事蔵(キジゾー)」は日本語ニュースを閲覧できる「共同通信ニュース by 記事蔵」と英語ニュースを閲覧できる「KYODO NEWS by Kijizo」の2種類がある。価格はどちらも350円。初回起動時から3ヶ月間の購読ができるので月額100円+ということだ。記事の移動が横スクロールで非常になめらかにできている。最近GoogleがFast Clipというサービスを始めたが、動きはそれに似ている。

また写真コンテンツが豊富でiPhoneを横にすると写真だけを連続してカバーフローの形で見ることができる。一日のニュースの数は140位で3日間程度キャッシュに保存できるのでオフラインでも最近のニュースを見ることができる。上手にユーザーのニーズを捉えている。共同通信のニュースというと無料のi47Newsと被っているのだがi47Newsの場合は地方新聞とのコラボレーションで共同通信の記事以外に地方新聞の記事が混在している。いわゆる全国紙的なニュースを期待している場合は地方の記事は別扱いにして欲しいと思うだろう。またその地方記事もすぐに読むことができればいいが、見ようとするとその地方新聞のサイトを直接見なくてはならない。アプリ内からも見ることが出来るのだが、記事ごとに表示デザインが異なるというのはいただけない。こういったところは朝日読売日経が共同して運営しているあらたにすと似ている。GoogleのFast Clipの面白いところはこれまでのGoogle Newsと違って参照しているニュースサイトの頁を画像でそのまま見ることができるのでサイトまで飛ばなくてもいい場合が多いことだ。参照されるニュースサイトとしては微妙なところだが、ユーザーとしては従来のGoogle News以上に魅力あるサービスになっている。まだご覧になっていない方はぜひ体験することをお勧めする。記事移動も左右にスクロールする形でスムーズだ。
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このように様々な形で新聞社を中心としてiPhoneなど携帯端末に対するニュース配信にアイディアを競っている。産経新聞の全紙面のイメージ配信も引き続き行われている。有料になるとか、帯域を使い過ぎているとかの言われながら頑張っている。私も最初のころはおもしろがって見ていたが最近は上述のようなサービスも出て来てその見やすさからテキストベースのサービスを見ている。海外の同種のサービスを見ても基本は記事蔵やi47Newsのような見出しと写真のサムネールで記事を検索して、テキストで読ませるというタイプが主流だ。また記事蔵を除いてほとんどは無料サービスで広告が入るものも海外系にはある。

面白いのはiPhoneまたはPCのような汎用機の場合は無料または広告型のサービスになるが、Kindleに代表される専用機型の端末になると新聞を有料コンテンツとしてちゃんと購読料を取る仕組みになっていることだ。ただ、有料にしたとしてもその価格は従来の紙媒体の新聞に比べてかなり安く設定しなくてはならないし広告モデルにいたってはまだ不透明なところが多い。とにかく新聞の行方はいまだ定まっていない迷走状態だ。一つだけ言えるのはもう後戻りはできないし現在のビジネスモデルはすでに崩壊している。デジタルに移行したとしてもこれまでの収益を上げることは難しい。だが、人々が新聞という媒体を望み必要としていることに変わりは無い。さあ、どうする。

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