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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

仕事の生産性向上

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技術の進歩は生活を楽にするというのが常識的な見方なのだろうが、仕事に関する限り必ずしもそうとは言えないように思う。生産性は確かに向上しており、メールの利用に至っては、文字通りどこにいても無線LANにさえアクセスできれば仕事をすることはできる。僕も空き時間の有効活用とばかりに、駅でメールをチェックすることもしばしばある。主に出張の際に新幹線の駅でやるくらいのものではあるが。ほんの数年前だったら、ぼ~っとみやげ物を眺めて暇つぶしをしていたところだろうが、誰から緊急のメールが飛び込んでくるのか予断を許さないので、ついついメールを見てしまう。仕事の効率が上がったと言うのは表面的な見方で、その分無意識に緊張感を持続させている。だからといって仕事を早く切り上げられるようになったわけでもなく、ちょうどうまい具合に「適度な」上積みがあるので、技術の進歩の恩恵にあずかっていというる精神的実感は希薄である。

技術の進歩が家庭に及ぶとその効果は違った姿を見せる。例えば最近では食器洗い機なんかがその典型ではないだろうか。インターネットなどで調べると、現在の世帯普及率は20%そこそこといったところのようだ。我が家にはまだないのだが、新しくマンションを購入すると標準装備されている事が多いらしい。共働き世帯ならばともかく、何で専業主婦のいる世帯に必要なんだろう。皿を洗う暇さえ惜しんで何かをやっているとか、メーカーが宣伝するように節水することで地球を救おうと考えているのだろうか。実は妻に食器洗い機を買ってくれとせがまれているのであるが、そんな大それたことを考えているとも思えない。だから「何でそんなに必要なの?」というのが僕の最初の反応であった。

自分で手洗いしたことがないからこの重労働がわからないのだと言うものだから、週末はたまに僕自身が皿洗いすることもある。まあ、確かに丁寧に一枚一枚の皿を割らないように洗うのも面倒で、時間もばかにはならない。僕の経験上、食事時間一回あたりざっと20分程度の仕事量といったところだろうか。また、特にこれからの季節は水が冷たいし、湯沸かし器に頼ったりすると、手にひび割れが入りやすくなって、結構つらいというかひりひりと痛い。

で、食器洗い機を購入すれば、専業主婦はひび割れることのない手と、一日あたり1時間の自由時間とを手に入れることができるというわけだ。技術の進歩は大いに歓迎されてしかるべきだ。ここで一時間を惜しまなくてはならないほど忙しいとは思えない、などと言おうものなら世の中の全ての主婦を敵に回すことになる。僕にはそんな勇気はないので、仕方なく今は食器洗い機のカタログを見比べている次第である。技術の進歩は仕事の生産性向上をもたらし、ひいては人の幸せに貢献するというメッセージは主に家庭の主婦に向けたものに違いない。

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