デジタル人材育成プラットフォームの取組状況について ~経済産業省 デジタル時代の人材政策に関する検討会から
経済産業省は2022年11月1日、「第6回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」を開催しました。
この中から、デジタル人材育成プラットフォームの取組状況についてとりあげたいと思います。
■日本のDX人材の状況
この中から、デジタル人材育成プラットフォームの取組状況について、とりあげたいと思います。
デジタル競争力ランキング2022で、日本は63カ国中29位と低迷。特に「人材/デジタル・技術スキル」が、62位と低く、これが全体を引き下げる要因となっています。
日本では76%の企業がDX人材不足を感じている(米国は43%)にもかかわらず、社員の学び直しを全社的に実施している企業はわずか7.9%(米国は37.4%)。社員の学び直しを検討さえしていない企業が過半数近く存在(米国は10%未満)しています。
また、情報通信白書(2022)における企業約3,000社への調査によると、デジタル化を進める上での課題・障壁として、日本企業は「人材不足(67.6%)」の回答が米国・中国・ドイツの3か国に比べて非常に多くなっています。
各国の企業でデジタル人材が不足する理由については、日本企業は両デジタル人材に共通して「デジタル人材を採用する体制が整っていない」と「デジタル人材を育成する体制が整っていない」が約40%と多くなっています。
■デジタル人材育成プラットフォームの展開
こういった状況の中、デジタル田園都市国家構想の実現に向け、地域企業のDXを加速するために必要なデジタル人材を育成するプラットフォームを構築し、企業内人材(特にユーザー企業)のリスキルを推進していくとしています。
最大の特徴は、教育コンテンツの集約・提示に加えて、民間市場には存在しないケーススタディ教育プログラムや地域企業と協働したオンライン研修プログラムを提供し、DXを推進する実践人材を一気通貫で育成していくことを目指しています。
出典:経済産業省 デジタル時代の人材政策に関する検討 2022.11
1層:オンライン教育サイト整備
デジタル人材に求められるスキルを自ら学べるよう、民間・大学等が提供する様々な学習コンテンツや講座をスキル標準(分野・レベル)に紐付け、ポータルサイトに提示(現在、約250講座)しています。
2層:ケーススタディ教育プログラム
データ付きのケーススタディ教材を用いて、受講生が2カ月程度、架空の企業へのデジタル技術導入を一気通貫で疑似体験するオンライン学習プログラムを提供しています。
講師を置かず、人材コミュニティ内で、受講生同士が互いに教え合い・学び合いながら、企業における課題解決手法を身に付けることができ、年1,800人の受講者数を目指しています。
3層:地域企業と協働したオンライン研修プログラム
DX推進に課題を有する実際の中小企業等の参加を得て、受講生がチームとなって2カ月程度、企業と協働し、デジタル技術の実装に取り組むオンライン研修プログラムです。
プロジェクト設計やデジタル技術の能力のみならず、当該企業社員との交渉や経営陣への提案等の経験を通じて、より実践的なDX推進能力を身に付ける。令和8年度までに1,300人程度(年260名程度)のプログラム修了者数を目指しています。