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こだわりのTシャツを発信し続け提供する久米繊維工業

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現在、日本で売られている中で、日本製のTシャツは実際どの位あるのだろうか?海外のファストファッションメーカーであるZARAやH&Mが、世界の低コスト地域で製造していることは有名だが、ユニクロも中国で多くの衣料品を製造(最近、中国での製造コストが上がったことから他地域へシフトしつつある)している。

私の出身地の岐阜や、仕事でよく訪問した福井も以前は繊維が盛んだったが、今は、当時のような活力は無くなってしまっている。随分、以前から構造不況業種と言われ、且つ、ユニクロのような低価格を訴求する企業が好調である中、国産に拘り続ける元気なTシャツメーカーがある。久米繊維工業である。久米社長は、自ら広告塔となり、また、メルマガから始まり、ブログ、Twitterといったソーシャルメディアで情報発信し続けている。以前から、注目していたが、、直接、お話がお聞きしたくて、何度か講演会にお伺いした。

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久米繊維工業がある場所も、繊維が盛んな街だった。メリヤス(ニット)職人だった1935年に初代が久米莫大小製造所起ち上げ、後に久米繊維工業に社名変更する。頑固一徹な、とても職人堅気な人だったそうだ。、

2代目は、1950年代、当時の日本では、Tシャツを着て街を歩くことなど、誰もしていなかった時代に、アメリカの文化に大分影響を受け、映画スターが着ていたTシャツを作ろうと頑張り、日本人に合った型紙に切り直し、縫製に改良を加え、着やすく丈夫なものに縫い上げていった。商売人だった2代目の息子として生まれ、Tシャツが作られる工場で育った3代目久米社長には、商売人感覚が植え付けられていったのだろう。お話を聞いていても、絶えずニコニコされていて商人の雰囲気がある。

裁断、縫製からプリントまで一貫生産され、熟練の職人の手作業によって作られる。素材選び、染色、カッティング、縫製、仕上げまで細部まで拘る。(以上、久米繊維工業ホームページをHISTORY参考)

アーティストやプロデューサーとの恊働Tシャツや環境へ配慮したTシャツづくり、オリジナルTシャツなど、独創的なTシャツを世に送り出している。

YOU TOBEにアップされているのは、講演会の際に久米社長が紹介された、日本酒製造メーカーを巻き込んでの拘りのオリジナル作品の創った上での日本酒Tシャツのイベントである。

もう一つ講演会で紹介されたのが、高知で行われた砂浜美術館Tシャツアート展だ。砂浜に無数に物干し竿に掛けられたアートTシャツが風になびくのは本当に壮大である。

久米社長は、「中小企業にとって100年に一度のチャンスだ!」と言われる。四大メディア(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)は大きな費用が掛かり、大手企業が有利である。しかし、ソーシャルメディアと言われているブログ、Twitter、SNS、YOU TUBE は手間は掛かるが、基本的には只(無料)であり、中小企業でも大企業と十分戦えるからだ。

さらに、大企業は、炎上やスポンサーからの批判を恐れ、積極的にソーシャルメディアを活用することに慎重な企業も多い。現に、上記で紹介したYOU TUBEは、久米社長をはじめ、社員の方がアップしたものだ。さらに、YOU TUBEで使われているバックミュージックは、ネット上に売りだしたいと考えるミュージシャンが無料で提供しているものを使っていると教えていただいた。

久米繊維工業が提供しているTシャツは、当然であるが決して安くない。しかし、海外量産ものにはない日本文化や拘りがタップリである。空港の免税店で販売しているJAST JAPAN BLANDTシャツは、1枚7000円である。是非、ユニクロとは異なった日本文化を表現したTシャツを、日本だけでなく世界に発信し、日本発、いや墨田発の世界ブランドを創ってほしい。

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