戦後処理の失敗の本質、家電スマート敗戦も同じか?
失敗の本質 ミッドウエー海戦もそもそも戦後の反省=歴史認識も「誰もまともにPDCA]を回していない
IoTの入り口で起きたスマート家電の敗戦、家電崩壊も同じなんだろうねきっと・・・・
タイトスクラムの長期雇用制度が続き限り 屍(昔の仲間)に鞭打つにしかじ(PDCAに触れてはいけない)・・は説得力があるなあ・・・
<出所 アマゾン>
終戦記念日が近いのでたまには戦争に関して書きますね。さて日本のナレッジマネジメントの研究上最も有名なのが「失敗の本質」(中公文庫)です。
何が凄いかと言うと日本軍の問題点をズバリ指摘しているからです。そして同じ問題点は日本の戦後企業の組織論にも随分当てはまります。
■ ミッドウエー海戦
その中で最も鋭いのはミッドウエー海戦の敗北に対する反省です。当時防衛大学にいらっしゃった杉之尾先生が書いていらっしゃいますが、ミッドウエー海戦を研究していた処、どこにも敗戦を振り返った記録(反省会の記録も反省会を開いた形跡もない)が見つからなかったそうです。そして様々に調べた結果、「屍(かばね)を鞭打つにしかじ」と言う文言に行き着いたそうです。これは「ミッドウエー海戦は敗北し、皆関係者は亡くなったからいいじゃないか、今さら責任を追及して何になる」と言う意味です。
彼は絶句して失敗の本質を書きました・・・・。
今風に言えばPDCAなど必要ない。チェックとアクションが要らないと言っているのと同じことです。
■ 極東裁判など
流石に極東裁判に関しては本書は何も書いていません。直接の戦闘行為ではありませんから。しかし戦争のPDCAを戦後の日本自身は独立後も回した形跡が一向にありません。一体、太平洋戦争はどういう計画だったのか、なぜ負けたのか、責任はだれが取るのか、どうすればよかったのか・・などです。安倍首相が70周年の歴史談話の為の私的な有識者懇談会が多少それらしいものを出したのが初めてではないでしょうか。(これはそれなりに画期的な事です)
但し、満州事変から敗戦までのプロセスに関してまともにPDCAを回せば、恐らくは昭和天皇の責任問題となったり、極東裁判で戦犯となった人々に対する国内からの徹底批判など再評価になる可能性があるためか、そこまでは踏み込んでいないようです。今回の問題は中韓対策であり、戦犯の再評価などしていないのは「こんな事を今更言うのか」と言うやはり「屍に鞭打つにしかじ」と言うミッドウエー海戦と同じ判断なのでしょう。如何にも日本的ですね。
有識者懇:「満州事変以後、侵略拡大」70年談話へ報告書
■ 家電スマート敗戦や東芝の不正会計問題
日本軍や日本国家が持っていたPDCAがまともに回らない問題は東芝の不正会計や家電業界が大赤字となったスマート敗戦を見ていると多くの日本企業の体質だと良くわかります。家電のスマート敗戦でサービス支配論理=ソフトウエアエンジニア主体のモノ作りに転換しようとしている家電メーカーは一社もいません。寧ろモノとして作り易い部品に逃げたり、変化のスピードの遅いB2Bにシフトして「GEやシーメンスが戦えるなら我々も・・」と思っているように見えます。(本質的な反省、本質的な転換になっていない)
いわゆるラグビーのタイトスクラム型の陣形=長期雇用制度下での集団主義を止めない限り日本の国家も大手日本企業もPDCAをまともに回すのは難しいかもしれません。ちょっと悲しいことです。