オンデマンド経済(フリーランス経済)の規模は4千億ドルから8千億ドル
昔、アイルランドの村の居酒屋には 「散髪の出前、致します」「自宅でくつろぎながら」と言う張り紙がしてありました。
こう言った お互い同士が良く知っている 信頼関係の深い のどかな村の経済がIoTの入り口で復活しはじめています・・・
http://www.slideshare.net/ZachNoorani/ondemand-economy-report
<出所 On-Demand Economy Report from Zach Noorani>
ハンディですよぉ 清掃でも、引っ越しの手伝いでも・・・お申し越しくださいませぇ・・・
えっとねえ スマートフォンタクシーUberの 自宅サービス版とお心得 くださいませ・・
しかし・・・フリーランスの人々は登録から60日から90日後、約20%から40%が不稼働になるそうです。仕事に現れなかった時のペナルティも35ドルと厳しいようです。
<出所 ビジネスインサイダー>
でもライバルの・・・・ホームジョイはサービスを閉じました・・・
その理由は・・・うーむ
社員かフリーランスかの境目があいまいなため、訴えられた裁判に負けたんだそうです・・・
でもそれだけが理由ではないようです・・・
結構、難しいサービスですねぇ・・・
<出所 ネクストウエッブ >
<出所 テッククランチ >
昔のアイルランドの村のパブには「床屋の出前、申し受けます」と言った張り紙がしてありました。自宅で散髪や美容院のサービスを実施していました。この村の経済とも言うべき地域のコミュニティがIoT時代を迎えて復活し始めています。新しい資本主義とかニューエコノミーと呼ばれる中で、サービスの結果を重視したアウトカム経済(モノ支配論理からサービス支配論理、結果支配論理への移行)、そしてその一環として仕事そのものもまた時間の切り売り(労働力商品のモノとしての提供)からサービス型に変化しています。
企業がプロジェクトに採用するフリーランスや独立コントラクターを雇う形は言うに及ばず、消費の領域でもスマートフォンタクシーのUberやインターネット民宿のAirbnbなどが先行し、そして今や自宅における様々なサービス(清掃、食事の作り置き、引っ越しの手伝い、器具の組み立て、犬の散歩など)がスマートフォンの発達により、インターネットによる仲介ビジネスとして伸びています。その次は個人が趣味で作ったモノがインターネットによる仲介ビジネスにより売れ始めています。
さてこれらのオンデマンド経済(フリーランス経済)の規模はニューヨークタイムスによれば将来、4千億ドル(50兆円)から8千億ドル(100兆円)の規模にまで膨れるそうです。これはIoT時代の手前に大きなゴールド(金鉱)があると言われ始めており、オンデマンド経済(フリーランス経済)へのゴールドラッシュが起こり始めています。アマゾンも出て大成功していますし、グーグルも準備中です。アップルはポストメイトと提携済です。
■ 村の経済の基本は信頼、コラボレーション、コミュニティ
さて成功したスマートフォンタクシーのUberやインターネット民宿のAirbnbなどは、消費者は自宅の外でサービスを活用する為、村の経済の要素は少なくて構わないと言われています。(上記のスライド参照)一方HANDYやアマゾンホームサービスなどは、フリーランサーが消費者の自宅に入るため、村の経済(信頼、コラボレーション、コミュニティ)要素が必要だと言われています。例えば最近、清掃などのHomejoyがサービスをシャットダウンしました。その理由はフリーランサーが起こした裁判に負けた為(一部のフリーランサーが社員と判定された為、約30%コストがかさ上げされる)と見られていますが、別の見方もあります。それは自宅に入って配管を直す、綺麗に掃除をするフリーランサーが自宅のオーナーの信頼が非常に重要であり、一旦、自宅オーナーの信頼を得れば、以降はオーナーと直接取引をする場合が多いからだと言う話です。最初の数回Homejoyに依頼してフリーランスを紹介してもらって、その内信頼できるフリーランサーに当たったら、そのあとは、オーナーとしてはスマートフォンからスカイプで直接、フリーランサーに電話すれば済む話です。ワツアップで依頼しても構わない訳ですね。
景気は回復したけれど中間層の所得が下がり気味の米国のカップルは、選択と集中戦略で自分たちの仕事で目一杯稼ごうとします。そうなれば自宅の掃除や犬の散歩、配管工事、ベイビーシッテイングなどは信頼できる誰かに頼んでサービスフィーを支払った方が安上がりだと言う戦略を取り始めています。その為、HANDYやアマゾンホーム・サービスなどへの需要が急増しています。昨年サービスを始めたアマゾンは、既に2.4百万回、約700職種でサービスの仲介をしています。その目玉はアマゾンから買った製品のインストール作業です。幾らWindows10が無料だと言ってもマイクソフトはインストールまでしてはくれません。(実際、データを消したり、大騒ぎです)それならパソコンを買ったアマゾンの仲介サービスに頼もうと言う事になります。
■ オンデマンド経済(フリーランス経済)はスマートホームを促進するだろう
IoTの視点から見れば、オンデマンド経済(フリーランス経済)はスマートホームの利用を促進します。例えば旅行中に何時もお願いしている庭師のフリーランサーの処から若者を派遣してもらって、庭に水をやってもらう事が考えられます。その場合、ワンタイムキーを渡してスマートホンから庭の倉庫を開けて器具を使ってもらう程度の事も今後はありそうです。自宅に入ってペットを散歩に連れ出す時もフリーランサーのスマートフォンにスマート化されたドアのワンタイムキーを提供するでしょう。これらのアレンジの必要性はオンデマンド経済(フリーランス経済)が確実にスマートフォーム(スマートフォンからスマートドアの鍵を開けたり、カメラで監視したり)の機能の普及を促進します。
その為にはフリーランサーと自宅のオーナーとの間に嘗てのアイルランドの村の信頼関係(村の経済の基本は信頼、コラボレーション、コミュニティ)の復活が求められます。IoT時代に入るには余りに社会構造の古い日本にもそういう時代が来るでしょうか?
★★A worker for cleaning startup Handy is suing the company in latest employee status case