グーグルがスマートシティ事業に進出、Sidewalk Labsを設立
<出所 シカゴ大学>
(IoTの観点から)イノベーションにより都市問題を解決する為、グーグルがSidewalk Labsを設立しました。都市問題と言えば電力供給などネットワークと交通課題、環境問題やコストを含む住居問題、インフラの問題などがありますが、Sidewalk Labsはグーグルの別会社としてこれらの課題に取り組みます。但し、新会社のCEOはソフトウエアエンジニアではありません。
従来、スマートシティと言えば太陽光発電など再生可能エネルギーによる地産地消などの電力ネットワークや環境問題へのアプローチが強かったのですが、全てのモノがインターネットに繋がるIoTの観点(汎用的なネットワーク管理の視点)から都市問題へのアプローチが本格的に開始されそうです。
都市問題解決への投資はグーグルXに似てますが、従来のグーグルの投資と明らかに異なる投資です。グーグルXや生命を対象としたCALICOのような別組織、Sidewalk Labsの場合には別会社での運用になります。
■ ITの外の人材がCEO就任
Sidewalk Labsの特徴は元ブルンバーグLPCEOとニューヨーク市副市長経験者(Bloomberg LP and Deputy Mayor of Economic Development and Rebuilding for the City of New York)のDan DoctoroffさんがSidewalk LabsのCEOに就任した点でしょう。ソフトウエアエンジニア以外の人材とグーグルはしっかり世界観を共有できるのでしょうか?そういえばグーグルの死を克服する生命関係のプロジェクトでも同じ動きをしていました。
■ IoTの世界は半分脱ICT、世界観が変わるか?
嘗てデザイナーとソフトウエアエンジニアしか評価しなかったアップルのステイーブ・ジョブズ氏がピクサーのCEOを経験することでソフトウエアやモノ作りの開発技術者以外の人々と交流し、彼らと一緒に仕事をする重要性を認識し、偉大な経営者に成長しました。
「映画を作るコンピューターを作りたい」と考えるジョブズさんと「コンピューターで映画を作りたい」と考えるピクサーのスタッフではジョブズさんの「モノ支配論理」とピクサーの「サービス支配論理」の激しい対立があったと言われています。グーグルの二人の経営者も果たしてSidewalk Labsの経営を通して大きく変わるのでしょうか? IoTの世界は半分脱ICTですから。
★★ Google is starting a new company to improve cities