グーグルグラスはビジネスに最適、拡大するウエアラブルの用途

» 2014/08/18

ビジネスの方が向いていると言う評価が高まるグーグルグラス

　＜出所：テックタイムス＞

■ 公式販売開始前に盛り上がるビジネス人気

グーグルグラスのビジネス利用が盛り上がっています。

米国在住者が希望すれば在庫が無くなるまで販売されているだけ（一種のテスト販売）ででしかなく、まだ公（おおやけ）に大々的に販売されている訳ではないグーグルグラス（1500ドル）の現状です。しかし公式販売の始まる以前の段階でビジネス利用では、人気が高く、航空ビジネス、製造組み立て、建築保守、医療などの現場で活用が始まっています。消費者の領域では賛否両論が渦巻くグーグルグラスですが、どうやら使い方がはっきりしない生活領域よりも、使途が明確なビジネス活用の方に向いているようです。

■ ガートナーの発表

調査のガートナーグループは「早ければ2017年頃からグーグルグラスの活用により、小売、医療、製造分野で毎年10億ドルのコスト削減が予測される」と述べています。これはグーグルグラスによる生産性向上の結果だそうです。問題は1500ドルの価格（一説には消費者用は300ドル程度に下がると言われている）とアプリやサービスの充実です。

★★Google Glass: The push into the business enterprise begins

■ 石油探査のシュルンベルジェ

フランスの石油探査企業、シュルンベルジェは施設の保守点検にグーグルグラスを使っています。動画や写真を通して熟練者からアドバイスを受けながら未熟練者による作業が進みます。両手が空くのでこう言う事が出来ます。Wearable Intelligence のアプリとサービスを活用しています。

Wearable Intelligence in Energy (現場の活用動画）

■ 航空サービスもグーグルグラス

これは既に報告したので省略します。

★★バージン航空のグーグルグラスとスマートウオッチ利用は大成功！！

■ ニューヨークなどの警察官もグーグルグラス

New York City や Los Angeles のような大都会だけでは無くByron, Georgiaなどの小さな町のお巡りさんもグーグルグラスの活用を始めています。ポイントはウエアラブルカメラの改善版と言う点、また署とのコミュニケーションの改善です。

皮肉は一般のドライバーがグーグルグラスを装着して運転した場合、逮捕される例が出てきている一方一部の警察署がグーグルグラスを使い始めている点です。（以下のビデオ参照）

ええええええ　逮捕なのぉ！！？　そりゃないよぉ・・・

＜出所：　以下のビデオ＞

　Google Glass and CopTrax in Police use　（動画）

しかしグーグルグラスを最初に使い始めたのはなんと中東ドバイの警察署です。目的は自動車の窃盗記録の検索や伝達です。また交通違反の写真撮影や手配の車のナンバープレートの確認にも使用されています。このあたりはタイ警察のLINE利用の類似性が面白いですね。スマートフォンとグーグルグラスのどちらが適しているのでしょうか？

一方米国Byronの警察署はグーグルグラスを現場でテスト中です。上のビデオによればグーグルグラスを付けて射撃を行うなどのテストをしています。注目すべきはByronの警察署の為にStalker Radar 社が CopTrax in-car video system （警察車両のビデオシステム）とグーグルグラスを統合したサービスを開発した点です。逮捕の瞬間写真を現場から署に伝達して、交通違反を確実に取り締まると言うことのようです。また運転中、麻薬操作地帯に入ったなどのアラートを警察官のグーグルグラスに表示します。

■ 活用が進む医療現場

　手術の様子を撮影、またはアドバイスを得る為、専門家に中継

　＜出所：http://well.blogs.nytimes.com　＞

ノースカロライナ州、Duke Medical Centerではグーグルグラスの活用実験を始めています。手術の記録をグーグルグラスで撮影しています。目的はインドでの医療教育に使う為だそうです。またニューヨークのMaria Fareri Children’s Hospitalでは診察や手術の様子のピアーレビューにも使われています。オハイオ州のOhio State University Wexner Medical Centerでは膝の手術の様子がグーグルグラスで病院から大学の医学生に公開されています。このやり方だと外部の専門家のアドバイスも受けられます。グーグルグラスでは両手が空く為、ユーストリームなどに向いているようです。

Point-of-View Surgery Shown Via Google Glass （動画）

またサンフランシスコのWearable Intelligenceは、医療機関向けに手術用のアプリとサービスを提供しています。Beth Israel Deaconess Hospital (ボストン)で今年から実際に使われています。エマージェンシールームの救助隊員と医師の間で急患の状況が伝えられたり、診断のメモを音声でとったり、専門家に相談したり、カルテを電子で呼び出したり凄いですね。ＣＴスキャンの診断結果は即座に場所の離れた他の専門家から伝えられます。