異常に高まるアップル魔法への期待、iWatchが五千万台売れるかの予測が焦点、！！

» 2014/06/25

■ 異常に高まるiWatchへの期待

ここ数日、米国のテックブログやビジネスブログでiWatchへの期待、アップル魔法への期待が異常に高まっています。有名なフォーブスやロイター、ウオールストリートジャーナル紙まで参加して、大騒ぎです。騒ぎの大きさは既にアイフォン登場時の域に達しているそうです。そしてその焦点は一体、秋に出るiWatchは何台売れるのかと言う点です。

WWDC2014の衝撃がよほど大きかったのか、「収益面、ビジネスモデル面は理解したが、次にやっぱりアップルの魔法を見せろ！！」と言う期待が、その揺り戻しで急激に高まっています。既に世界中で商標権は獲得しているのでiWatchが出るのは時間の問題です。

■ 様々な論点

フォーブスは既に台湾のクワンタで生産が始まったと言い、否7月―8月で生産が始まると書いてある処もあります。ウオールストリートジャーナル紙は6－7種類のiWatch（リストバンドから腕時計まで？）が出ると伝え、ＣＮＥＴはスポーツの Kobe Bryant さん（プロバスケットボーラー、 L.A. Lakers所属）がマーケティングに起用されると述べています。値段の予測も証券アナリストが250ドルー350ドルとはじいています。既に米国食品医薬品局（ＦＤＡ）に申請をしたとか、2.5インチ長方形の画面だとか、無線でチャージされるとか様々です。センサーの数は10個だそうです。モントレーフールはアップルにおける担当エンジニアの数は百人だと書いています。クオーツはフォックスコンの株価上昇がiWatch登場の証拠と伝えています。

■ 一体何台売れるのか？

ロイターは初年度に5千万台売れると言い、ウオールストリートジャーナル紙は、年内に1千から1千５百万台は行くといい、日本の日経新聞は月間3百万台から５百万台作ると報道しています。

皆さん、凄い数字を期待しています。汎用的な次世代パソコンのIPadが年間7.1千万台であることを考えれば、五千万台は凄い期待です。ウエアラブル製品は、IPadのような汎用的な製品では無くカテゴリーに特化した製品です。

■ 凄い魔法が使われない限り、五千万台も売れない現実

しかし既にお伝えした通り、ABIリサーチの調査によれば2014年第一四半期の世界ベースでのウエアラブル機器(スマートフォン+トラッカー)の出荷規模は全部で2.9百万台、5対1でトラッカー(リストバンド)がスマートフォンに優っています。判り易く言えば年間に1、200万台程度のウエアラブルの市場があります。また一番売れているとされるフィットビット（FitBit）の価格は100ドル程度です。(一番高くて170ドル）この状況でアップルの250―350ドルのアイウオッチが年間五千万台も売れるでしょうか?

アイウオッチが旋風を巻き起こし、市場が3倍になったと仮定すれば、年間で千万台―千五百万台は行くかもしれません。しかし市場が期待する年間五千万台に届く為には「最高レベルの魔法」が求められます。ハリーポッター・レベルの魔法では到底かなわず、ホグワーツ魔法魔術学校の校長ダンブルドア先生並みの魔力が求められます。女王陛下の魔法使いSir(サー)ジョニー・アイブさんにそんな霊力があるのでしょか？

■ シリコンバレーの魔法使い達

20年ほど前、筆者は盛んにシリコンバレーに通って、今で言うビッグデータ、当時のＭＰＰ（超並列型コンピューター）の各社を訪問していました。シンキングマシンとかエヌキューブ、ユニシスのオーパスなど魔法のプレゼンはもの凄かったです。そしてオラクルなど各社は「魔法使いに会いに来た記念品」として魔法のグッズ（オラクルＴシャツ）などを手に持てない程一杯、くれました。

でもコンセプトは本当に魔法そのものですが、実際のマシンやソフトウエアのパワーはそれほどでもなかったのを良く覚えています。

現代の魔法使いとして有名な2年前のグーグルＩＯでセルゲー・ブリンさんはグーグルグラスをしてスカイダイビングのパフォーマンスをやってのけました。

果たしてアップルが起こす奇跡、魔法の力はオズの魔法使いを軽く超えるのでしょうか？　五千万台も、iWatchは売れるでしょうか？

アイウオッチの期待されるイメージ