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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命と決算、アップルの決算は売り上げ増、利益横ばい、大幅に株価が下がった訳

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<序文>

 アップルの第一四半期決算(20121012月期)が報告されています。それによれば稼ぎ頭のiPhoneの売り上げが史上空前の数字となり、47百万台の上りました。アップル全体の売り上げは前年同期比29%増の約545億1200万ドル、一方純利益はわずか0.1%増の130億7800万ドルでした。しかし株価は直後の場外取引で10%も下がっています。

 

前年同期比でマックの販売減少(22%減)、IPodの販売減少(18%減)、そしてiPadは48%増でした。

    引用

 Apple said it sold 47.8 million iPhones for the quarter, 22.9 million iPads, 4.1 million Macs and 12.7 million iPods.

 引用終わり

★★Hi, Wall Street, It’s Apple. Did We Mention Those iPhone Sales Were a Record?

 

★★アップル純利益横ばい 1012月、iPhone販売29%増

 

★★ Verizon Activated 6.2 Million iPhones In Q4 2012, Accounts For 63% Of Smartphone Sales

 

★★ Verizon sees big Q4 influx of 4G activations including 3.1M LTE iPhones

Applelogowall

 

<出所:エンガジェット>

<売れた半分は古いiPhoneのモデル>

 アップルの決算発表会では、各製品の合計販売数字だけが出されており、内訳は明確になっていません。そこで投資家は合わせて通信キャリアであるベライゾンの決算内容と比較しています。ベライゾンは2012年第四四半期決算で620万台のiPhoneを販売し(同社スマートフォン販売全体の63%)、その内半分がLTE対応のモデル=iPhone5だと発表しています。そうなれば残りは3G対応の古いモデルだと言うことになります。

 

そうなればiPhoneは売れているが、かなりの部分=半分は利益率の低い古いモデルと言うことになります。それでも全体のアップルの粗利は38.6と決して悪い数字ではありませんが。iPhone5は売上数字の半分程度と言う事になります。はっきり言えばiPhone5は期待されたほどには売れていません。(兎に角、アップルはグローバル資本主義をリードする過剰期待の会社ですから。)

 

 

★★ Apple Earnings: Good, Not Great

Verizon4glte

 

 <出所:ギガオム>

<アップルはどうするのか>

 アップルが日本をはじめとする部品メーカーに対して部品の発注を計画より下げて来たと言うのは日経新聞などの記者の調査で明確になっており、これには「予想したほどiPhone5の売り上げが伸びない」と言う予想と「いや、iPhone5は売れているが、早くも次世代機の為の生産調整に入っている」と言う二つの予測が出ています。

いずれにしてもアップルは、iPhone5の次世代機を高級品から安いiPhoneまで幅広く計画すると考えられます。安いiPhoneが即出るかどうかは不明ですが、既にクックCEOの中国訪問により、現在15%程度のiPhone売り上げ割合を占める中国が、将来、最大市場になるとアップルは予測しており、従来の高級機(iPhone5など)に対応した上澄み市場の一つ下を狙ってくる可能性は十分あると考えられます。

 

また既にiPhoneのマジックが消え始めている為、スマートテレビなどの新製品の投入でアップルマジックの復活=ブランドの輝きの維持を狙ってくるでしょう。

 

 

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