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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命に翻弄されるゲーム機メーカーとゲーム企業のオンライブ

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<序文>

 一人一台のパソコン時代が終焉し、2015年には一人七台のスマート機器を使いこなす時代が来ると言われ始めている中、ゲーム機メーカーやゲーム企業が揺れ始めています。国内では任天堂が2012年決算で遂に赤字に陥り、またソニーの携帯ゲーム機もそれほど売れていません。不振の原因として明らかにスマートフォンやタブレットの台頭が背景にあります。

マイクロソフトのゲーム機XBOX360は、スマートテレビとしてゲーム機の再発明の方向を示し始めています。

また海外では「これこそ次世代のゲームの在り方だ!!」と言われたクラウドゲームのオンライブが、会社更生法を適用し、第二会社に資産を移すことによる生き残りを図っています。

 

ゲームやゲームサービスの再発明の行方はどうなるのでしょうか?

 

★★ OnLive Sold To OnLive And Nothing Will Change, “Heartbreaking Transition” Notwithstanding

 

★★ CEO Steve Perlman leaves OnLive amid insolvency proceedings

クラウドゲーミングのオンライブの創始者 スチーブ・パールマン氏

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<出所:CNET>

<専用ゲーム機やソーシャルゲームの時代の終焉>

 任天堂のWiiは2006122日に発売され、即日完売という大ヒットを記録しました。しかし2011年8月には任天堂の携帯ゲーム機3DSが1万円の値下げに追い込まれるなどDSWiiと大ヒットを飛ばしてきた任天堂が3DSでは突然、苦戦を強いられ始めました。その背景にはスマートフォンやタブレットなどスマート機器の台頭があります。

伝統的な専用ゲーム機を囲むエコシステム(生態系)がスマート革命により変化した訳です。そして少し前までゲーミフィケーションと称して好調だったフェースブックなどのソーシャルゲームもジンガの株価や決算発表に見られるように低迷を始めています。変わって台頭しているのがスマート機器用のモバイルゲームです。

 

一人一台のパソコン時代には専用ゲーム機とパソコンゲームは縦割りの住み分けがあり、ソーシャルゲームは「一人一台のパソコン時代+SNS」と言う一人一台のパソコン時代の最後に登場しました。

 

しかしスマート革命の進展によりあっという間にエコシステムが変化しました。

その結果、マイクロソフトは複数のスマート機器(ゲーム機とタブレットやスマートフォンの組み合わせ)で構成されるゲームを追求し、一方ソニーは専用ゲーム機用のゲームをHTCなどアライアンス先を含むスマートフォンやタブレットに移植すると発表しています。共にスマート機器群でゲームと言うサービスの森を支える姿勢を示しています。その点任天堂の遅れが目立ちます。

またマイクロソフトはXBOX360をスマートテレビの一番手に押し上げています。こうしてゲーム機の再発明によるスマート機器への移行が始まりました。

 

★★ Wiiヒットの秘密 パラダイムシフトとは

 

 

★★ 速報:ニンテンドー3DS 値下げ、811日から15000円。現所有者には20タイトルを無料配信


 

<クラウドゲーム・オンライブの失敗>

この1週間注目を集めているのは、スマート革命時代に対応したクラウドゲーミングサービスのオンライブの去就です。2010年に発表されたオンライブのクラウドゲーミングサービスは、如何なるスマート機器にも対応出来る為、非常に注目を集めました。クラウドゲームはゲームのグラフィック処理をサーバー側で行う為、クライアントに負荷がかからず、多様なスマート機器で3Dのゲームやセカンドライフのような仮想のサービスを楽しめます。

 

しかし嘗てWebTVに関わるなど非常に先進的な発明家であるオンライブの創業者スチーブ・パールマン氏は、WebTVの失敗の後、アップルのジョブズ氏のような企業家には成長出来ませんでした。その先見性と細かい事に拘るマイクロマネージャー振りは有名ですが、リーダーシップ、ビジネス判断、社員の管理などの点で全く駄目だったと言われています。

 

オンライブは顧客の獲得に失敗し、約1600人しかお金を支払っていない状況でした。一方社員には二年連続してクリスマスの休暇を与えずこき使っていました。

 

しかしスマート革命の結果、ゲーム業界もユーザーも共にゲームをモノとしてのパッケージ販売から、オンライブのようなネットサービスでの提供への移行が正しい方向性と考え始めています。

 

ソニーはライバルのガイカイを買収し、オンライブにもHPなどから買収の話が多数来ていたと言われています。しかしパールマン氏は、それらの話をことごとく断りました。そして会社の債務超過にあたって第二会社を設立して資産を移管し、同時に社員を全員解雇しました。そうなれば社員の株式の権利も全て消滅します。これには社員は相当怒ったと言われています。

 

折角、スマート革命の時代が来ているにも関わらず、天才経営者が幼稚なばかりに多くの社員は再生のチャンスや成果を手にするチャンスを失いました。

 

この話は今から約30年前のIBMによるパソコンプラットフォーム調達の話を思い出させます。プラットフォームCP/Mで知られるデジタルリサーチ社のゲイリー・ギルドール氏はIBMPCにプラットフォームCP/Mを採用したいと言う申し出を何故か断りました。一方同じ申し出を受けたマイクロソフトのビル・ゲーツ氏は、早速、DOSを買収し、急遽MSDOSを開発してIBMに納入し大儲けをしました。

 

スマート革命の結果、ゲームのプラットフォームはモノ=パッケージ販売からクラウドサービスへの移行期にあります。こう言った歴史の転換では、やはり歴史は繰り返されるのでしょうか。

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