スマート革命、白物スマート家電は成功するか!!?
<序文>
一人一台のパソコン時代が終焉し、一人が七台のスマート機器を使いこなすスマート革命の時代が進行する中、新しい個人コンピューティングの形とイノベーションの形が台頭しはじめています。テレビの販売不振が深刻化、長期化する中、国内の家電メーカーは洗濯機や掃除機、冷蔵庫、クーラー、ヘルスケアー機器などの白物家電をWiFiネットワークなどでスマートフォンなど接続し、その上に豊かなサービスの森を作り上げようとしています。
日経新聞などは一斉にパナソニックと三菱電機の発表を取り上げています。
今年の米国国際家電見本市(CES2012)では韓国のサムスン電子やLG電子が盛んに白物家電にWiFiネットワークの根と茎が生えたスマート家電を取り上げていましたが、日本のパナソニックや三菱電機なども負けていないようです。スマートフォンが海外勢に主導権を取られ、スマートテレビも早晩、韓国勢が台頭してスマートフォンのようなウインブルドン現象が始まる可能性もささやかれる中、スマート白物家電に期待がかかります。
注)ウインブルドン現象
ウインブルドン現象とはロンドンの全英テニス選手権で市場と言うプラットフォームを提供して、その上で活躍するのは海外勢主体と言う経済現象を言います。国内でもスマートフォンの登場で携帯電話市場では既にウインブルドン現象が起こっており、テレビも早晩、そうなると言う見方があります。
★★ 「スマート家電」という名でネット家電が復権するかもしれない4つの理由
引用
東日本大震災の前後で、消費者が求めるものが変わった――。その変化を受けて、三菱電機は“つながり”や“スマート”を重視した新しいコンセプト「SMART QUALITY」を提案する。
引用終わり
★★ 白物家電がスマホと連動 パナソニックが「稼ぎ頭」に託す新機軸
★★ パナソニックがAndroid対応「スマート家電」を大幅拡充、エアコンや冷蔵庫など6製品追加
★★ パナソニックスマート家電
★★ 9月10日―17日 パナソニック・スマート家電・イベント
<実際的な使い方が提案されれば普及する>
スマートハウスは今や家電メーカー、住宅メーカー、家電量販店、通信キャリアなどの次の戦場と化しており、スマートフォンやタブレット、スマートテレビの普及と共に生活者に非常にイメージし易いサービス世界となっています。センサー技術の進歩や液晶技術の進歩、WiFiネットワーク化などがそれらを支え始めています。高齢者の血圧測定機にWiFiネットワークの根と茎が生えれば、統計的な数値をホームドクターに定期的に見てもらうことも可能になります。また韓国のメーカー二社は冷蔵庫の在庫管理状況をスマートフォンやスマートテレビ、パソコンなどに表示するサービスを提案していました。パナソニックは洗濯機とスマートフォンを結合して、最適洗剤量の計算表示をするそうですが、筆者には今一つ効用がピンときません。もう少し上手く説明出来ないかなとも思います。タブレットやスマートフォンで帰宅前にクーラーを操作して室内の温度設定を快適にしたり、コーヒーが沸いたら二階の個室にいる生活者に着メロで伝えて暮れるようなサービスならば判り易いと思われます。
<問題はサービスと機器の値段だろう>
パナソニックなどはスマート機器の値段が結構、高いので最初は高額所得者から普及する可能性があると考えられますが、14年度にかけて中価格帯も狙うと言っています。今回はスマート機器のエアコンが4キロワット型で約27万円、冷蔵庫が約30万円、洗濯機が34万~35万円前後と高価格帯です。
しかし米国のべライゾンなどは機器以外にサービスとして月額約10ドルでホームコントロールサービスを提供しており、機器も最初から普及型の値段を付けていました。
今回はパナソニックが建築部材に強い旧松下電工を吸収合併した成果が試される領域であり、スマートテレビ敗戦後のスマート白物家電の成否を占う正念場ともいえるでしょう。