ソーシャルブックマークを領空侵犯する Twitter
昨日は娘の相手を妻に押しつけて、ひとり緑豊かな東工大へと遊びに来ていました。理由は「第3回SBM研究会」に参加するため。有名な勉強会なのでご存知の方も多いと思いますが、その名の通りソーシャルブックマークという機能/サービスについて考えましょうというもの。機能やビジネス面からの考察だけでなく、どうやってレコメンデーションの精度を上げるかなどといった技術面・理論面からのプレゼンが聞けるのもこの会の魅力です。
早速 p-article さんがまとめ記事を書かれていますので、詳しい模様を知りたいという方はぜひご覧下さい(第1回、第2回のまとめも確認できます):
■ 「第3回ソーシャルブックマーク研究会」参加 (チミンモラスイ)
個人的にもいろいろと思うところがあったのですが、最も気になったのは Twitter の存在でした。もちろん SBM の勉強会なので、スポットライトはそちらの方に当てられているのですが……登壇者の言葉の端々に「Twitter」という単語が登場する(中にはSBMでミニブログを実現してしまおうという方も)という、Twitter の影が背後でちらつく会だったという印象です。
なぜ SBM の会なのにこれほど Twitter を感じたのか。もちろん技術系の人々の間では Twitter が一般的な存在になりつつあるというのが大きな理由だと思いますが、何名かの方が Twitter と SBM の類似性を指摘されていたのが心に残りました。確かに SBM は、単なるブックマークの進化形というより、ブックマークされたウェブサイト/ウェブページをネタにユーザーが議論するというメディアの側面が強い存在ですよね。特にはてなブックマークなどは良い意味でユーザー層に偏りがあり、それがコメント欄を使ったコミュニケーションの活性につながっているという印象です。またお気に入りユーザーという形で、他のユーザーが集めたサイトを確認するという行為などからも、SBM を一種のメディアとして捉えることができるでしょう。
であれば、最初からコミュニケーションをするためのツールである Twitter と被る面があるのは当然。また Twitter 自体、そこで紹介されている URL を集計してホットエントリーをランキング化するというサービスがいくつも存在しています。「そういったサービスがあれば、SBM のホットエントリーページを見に行かなくなるかも」――こんな意見を目にすることが、実は最近何度かありました。
もちろんだからといって SBM が不要というわけではありませんし、Twitter が SBM を駆逐するなどというシナリオを描いているわけでもありません。しかし SBM のソーシャルメディア的な部分は、Twitter のようなマイクロブログと結びついたり、あるいはそれに代替されて両者の融合が進んでいくように思います。奇しくも SBM 研究会の西谷さんは Twitter 研究会を12月に行うことを発表されており、その初回は SBM 研究会とのジョイントという形で行われる可能性もあるとのこと。理論の面からもミニブログと SBM の関係を整理する、良い機会になるかもしれません。
< 追記 >
みずほ情報総研の吉川さんも参加されてました:
■ 推薦するなら推薦理由を添えてくれ (ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦)
そうそう、「推薦」ってよく考えたら定義が曖昧なんですよね。実現してるサービスもありますが、できれば「推薦」のパラメータ設定までユーザーに任せてくれたらいいな、と思います。
【○年前の今日の記事】
■ 2つの最先端 (2008年9月14日)
■ 会社がいちばん分からない (2007年9月14日)
■ 使いたくなる名前 (2006年9月14日)