焼き捨てられるべき日記と読み伝えられるべき日記
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Dさんのお母さんは、日記魔。毎日したためたノートは箱一杯に収まりきらないほど。そんなお母さんのDさんへの遺言は、「私が死んだら中は読まずに全部焼き捨ててほしい。」だった。
Dさんのお姉さんは一度だけでも読みたいと主張したが、Dさんはお母さんの遺言に忠実に従い、先日日記をすべて焼き捨てたという。
Dさんによると、お母さんは、他人に対する怒りや不満を日記にぶつけていたらしい。お母さんにとって、書くことが、そんな感情をきれいさっぱり忘れる手段だった。身内にさえ読まれたくなかったというのもわかる気がする。
一方、土佐日記や紫式部日記などやアーネスト・サトウの日記などは、その文学的価値や歴史的価値が認められて、後年本として出版されるほど。書いた本人には、自分の日記は後世に語り継がれるべきという意図があったのだろうか。
さて、振り返って私の日記は、どちらかと言えば前者の性格が強いように思う。やはり、死後は読まずに焼き捨ててもらうように、遺言に加えておこう。
貴方の日記、どうしたいですか?
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